野球の記録ヲタクを自認するのならば必ず読むべき本。 野球の統計データに関する多くのトピックを扱っており、十分な読み応えがある。
特に力説されているのが、観測された確率 (記録に残っている打率や勝率) と、 真の確率 (実際にヒットを打つ確率や勝利する確率) の差を明確に区別することの重要性。 今までの野球解説はほぼ例外なく観測された結果のみに基づいて議論しているが、 実際にはその結果には乱数による揺らぎが大きく影響していると考えるべきであり、試行回数が少ない場合はなおさらである。 統計学的に考えれば当然のことなのだが、こと野球になるとなぜかこの確率的なばらつきが軽視され、すべてが必然であると見なされがちである。
本書では、野球のプレイをランダムなモデルと考えたシミュレーションを数多く行っており (このメタファとして卓上野球ゲームのスピナーが用いられているのは見事) 、真の能力が同じであっても結果は大きくばらける可能性があることを証明している。
また逆に、観測された結果から真の確率を推定する方法も興味深い。 例えば、682打席で0.422の出塁率が観測された1999年のロベルト・アロマーの真の出塁率は、95%の信頼区間で0.422±0.037であるとしか推定できない。 おそらく多くの野球ファンはこの精度の低さを無視している。
その他にも、得点算出のシミュレーションモデル、 勝負強さの評価、 1プレイごとの平均得点 など、記録ヲタクの心をくすぐるトピックが溢れている。 この項目を見ただけでぐっときた向きは買って損なし。
ただ、一つだけ残念だったのはtypoが目に付くこと。 売り時を逃せない時事本でもあるまいし、もう少し校正をしっかりやって欲しい。
最近のアナログゲームに対するエッセイ・評論集。
1990年代から注目を集めているドイツ製のボードゲーム、同じく1990年代に生まれた怪物TCG、そして連綿と続くRPGまで。 幅広い知識を誇る著者ならではの的確な批評が見事。
アナログゲームが欲しいけどどれを買ったらいいのか、という人にもお勧めできる。

久しぶりにS原氏と千葉マリンに観戦に行く。
土曜日、好天、今期ホーム最終戦、王監督の千葉マリン最終戦、クライマックスシリーズ争いと条件がそろってしまったので2階席までほぼ満員。
試合前には王監督に花束贈呈とセレモニーが行われる。 ビジターチームに対してもこうしてきちんと敬意を表したイベントが行われるのは非常に嬉しく思う。
クライマックスシリーズに向けて絶対に落とせない試合だったが、先発の清水直の好投により (最後の荻野劇場以外は) 安心して見ていられる試合だった。 こういった試合で最高のパフォーマンスを見せるのはさすがとしか言いようがない。数字だけを見れば他の先発陣に遅れをとることもあるが、それでもエースと呼ばれるのはこの差なのだろう。
ToDo/ToBuy