村上宣寛, 「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た

まずは、定番の血液型人間学批判とバーナム効果のお話から。この辺はあまり新しいことではないが、わざわざこれを載せているのは、多くの心理テストが血液型人間学と同じレベルだということを示していると思われる。

その槍玉に挙げられる心理テストは、ロールシャッハテスト、YG (矢田部ギルフォード性格検査) 、内田クレペリン検査といった定評あるもの。

YGは、自分も就職活動中に受けたことがあり、その批判は特に興味深い。YGについてはデータの捏造、根拠のない分類、再標準化を行わない質問項目の入れ替え、統計処理の誤りなど、多くの問題点が指摘されている。また、自身がテストを受けた際に感じていたことだが、YGの被験者は簡単にウソがつけ、またそれを見破るための尺度もない。

全体的に独善的なトーンなので、心理学の専門家でない人間としてはどこまで信じて良いものかと思わせるところもあるが、心理テストというものがそれほど万能なものではないということが見えてきただけでも本書の価値はある。お勧め。

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