小林信也, データで読む 常識をくつがえす野球

データスタジアムのデータをもとに、主に昨期 (2005年シーズン) のプロ野球の分析を行う。データ本にしてはなかなか読みやすくまとまっている。

しかしながら、せっかくのデータの読み方を間違っていると思われる項目が散見されるのが残念。例えば、「初回の得失点が勝率を大きく左右する」として初回の得失点と勝率の相関の高さを述べているが、初回に限らず得失点があれば勝率と強い相関が出るのは当たり前。初回の得失点の重要性を述べたいのであれば、初回以外に得失点があった場合との比較をしなければいけない。

また、明らかにサンプル数が少なすぎて優位な差であるとは言えないものも多い。例えば、「代打の代打は意味がない」と述べているが、その理由として2005年度の代打の代打は12回中1回しか成功していないから、というのはあまりにも雑。データスタジアムならば過去何年分かの蓄積があるのだろうから、必ずしも2005年データにこだわる必要がないものについてはもう少しデータを補強してもらいたかった。

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