山本武利, 日本兵捕虜は何をしゃべったか

主に太平洋戦争中の日本兵捕虜からの情報流出を追った本。

太平洋戦争中の日本軍の捕虜教育の杜撰さはよく知られるところだが、その他にも遺棄された作戦命令書や日記からの情報流出も連合軍側に多くの情報をもたらしている。当時の日本軍は国内や植民地での防諜には力を注いでいたものの、前線からの情報流出の認識が遅れ、気付いた後も伸びきった前線に指令を徹底できなかったことが見て取れる。

米国側の視点からもよく調査されており、日本語の文書解読や尋問を担当するATIS (Allied Translator and Interpreter Service) において日系二世が果たしていた役割の大きさは認識を新たにした。この点は日本軍も同様で、同じ日本人の血が流れている者は祖国を裏切らないという誤った認識があったのだろう。

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