遠藤秀紀, ニワトリ 愛を独り占めにした鳥

ニワトリの産業的な位置付けを枕に、セキショクヤケイに始まるそのルーツを追う。

雑学的な意味で面白いのが、意外と知られていない現代のニワトリの産業的価値。経済的な競争力を得られる様に改良され尽くした採卵鶏は生後160日後から年間300個のペースで産卵し、肉用鶏に至っては生後わずか50日で3kg台半ばに達する。

しかしながら、そのニワトリの原種のセキショクヤケイの性質は到底家禽に適したものではなく、どの様な動機で家禽化が進められたかが本書の興味となる。その推論過程は知的好奇心をそそるもので、ロマンの分かる向きには間違いなくお勧めできる。

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