沖有人, マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく

はじめにに “(賃貸よりも) 持家のほうが圧倒的に有利である” と勇ましいことが書いてあるが、その根拠は心許ない。中盤に数ページ程度の大雑把な説明と詳細不明なグラフがあるのみで、そこから無理に読み取ると、

  • 賃貸の場合でも頭金を一切運用しない
  • 持家の場合はレバレッジをかける
  • キャッシュフローが悪化するリスクは考慮しない
  • 資産の流動性も考慮しない
  • 購入したマンションに大きなトラブルは起きない
  • 賃料が長期に渡って低下しない
  • 将来も住宅購入を優遇する税制が変化しない

という前提で比較すれば退職する頃には持家の方が得になる場合もある、ということらしい。この前提を信じられる人なら読んでも良いかもしれない。

購入を前提とした場合に10年で買い換えるべきという根拠は、上述の賃貸と持家の比較に比べるとだいぶまとも。10年目頃が節目となる大規模修繕や住宅所得控除の期限等を回避するために買い換えるべき、ということらしい。ただし、大規模修繕前を控えた物件が有利な価格で売れるかについて具体的な数値はない。また、引っ越しに関するコストが考慮されていない点にも注意。

その後の章では具体的な物件選定方法が書かれているが、さすがに著者の運営する不動産サイトの広告が露骨すぎる。

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