2014-07

book

鈴木大介, 家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生

いわゆるプチ家出ではなく、様々な理由から路頭に迷うこととなった本気家出少女達のインタビュー集。 壮絶な内容で興味深くもあるが、どこまでインタビュー内容の裏をとっているかはわからないので話半分で。
book

八雲星次, 職業治験 治験で1000万円稼いだ男の病的な日々

高額バイトの話題でよく名前が上がるものの、その実態があまり知られていない治験。それを生業としている男の手記。 とにかく楽をしたいという理由で治験生活を続けているという告白は素直過ぎてむしろ好感が持てる。一方で、厳密に科学的な手順が求められるはずの治験の末端は、かなり危ういところで成り立っているのもよく分かる。
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根本祐二, 「豊かな地域」はどこがちがうのか 地域間競争の時代

人口コーホート図と経済センサスを用いた地域分析手法の紹介。この二つの簡易な分析だけから様々な仮説が導かれるのを見るのは爽快。
comic

よしながふみ, 愛がなくても喰ってゆけます。

食をテーマにしたエッセイコミック。少々楽屋オチが過ぎるとは思うが、リアルなお店紹介マンガとしてもなかなか。
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河邑厚徳, グループ現代, エンデの遺言 根源からお金を問うこと

ミヒャエル・エンデの話は枕として使われているだけで、中心はシルビオ・ゲゼルらによる自由貨幣の話題。 自由貨幣の小さな成功例とメリットばかりで、欠点や批判的な意見に触れることはない。そのため、なぜそんな素晴らしい自由貨幣が限られた範囲でしか利用しかされていないかという素朴な疑問が解決しない。全体を通じて自由貨幣支持者の取材を主要な情報源としていることもあり、参考文献も挙げられておらず、根拠が不明な記述も多い。 意図的かはわからないが、自由貨幣の利点と地域通貨の利点を混同して説明...
game

Magic 2015 – Duels of the Planeswalkers

Magic 2014 - Duels of the Planeswalkersの続編。Magic 2015 - Duels of the Planeswalkers。 今作は大きく自由度が向上遂にカードを自由に組み合わせてデッキを組めるようにカードプールは狭めで、ConstructedというよりもLimitedに近い感覚。尖ったデッキを組むのは難しいので、素直にGood Stuff寄りにした方が良いかもしれない。Tribeなどを組むのも苦しく、可能性があるとしたらGoblin...
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坂口恭平, TOKYO 0円ハウス 0円生活

思想はやや荒削りながら、隅田川のブルーシートハウスに新しい建築の姿を見出すという試みは興味深い。 昨日のルポ 最底辺と同じ野宿者を扱いながらも、こちらは一転して明るい雰囲気。性格の差か、スキルの差か、著者のフィルタの差か。
book

生田武志, ルポ 最底辺 不安定就労と野宿

著者は野宿者支援活動を進めている方で、特に日雇い労働問題に詳しく、自身も学生時代から釜ヶ崎での日雇い生活を体験している。そのためか、様々な不安定就労の中でも特にドヤ街での日雇い労働生活とそこからの野宿への転落に深く切り込んだ内容となっている。 野宿生活に陥るまでの流れやそれに対する行政の不備は非常によく分かるが、労働者やその支援者の視点からしか語られていないのがやや残念。行政側の論理も取り上げられれば、より深い考察ができたものと思う。
comic

南信長, マンガの食卓

古今東西のマンガ作品を "食" のテーマで括ってまとめたもの。もちろん、単行本一冊ですべての食マンガを網羅することはできないのだが、主要な食マンガの流れはきちんと押さえられている。巻末には作品索引がつけられているのも嬉しい。
book

本川裕, 統計データはおもしろい! 相関図でわかる経済・文化・世相・社会情勢のウラ側

統計データというよりも、相関図のおもしろさに注目した本。著者は、社会実情データ図録も運営している。 退屈な統計な解説はさておき、社会ネタの相関図のおもしろさが前面に出てくるので読んでいて飽きない。また、データを深掘りする際の思考の流れがよくわかる構成になっているのもありがたい。