だいぶ思想が強めで、読む人を選ぶ本。読書とは純粋な楽しみのために読むことではなくビジネスに役立つ情報を仕入れることである、社会人として読むべき本のジャンルというものがある、文芸作品やコミックは頭から通しで読むだけなので本棚に保管する必要はない、本棚は自分がどう見られたいかを表すものである、といった思想に素直に共感できる人ならばおすすめできる。
そうした思想はさておき、テクニックとしては参考になる部分はある。新鮮な本棚、メインの本棚、タワーの本棚 (辞書や事典、名言集などのよく使う資料) を作るべきという提案は納得できる。蔵書家には自然にこの分類になっている人も多いと思われる。
本棚には2割の余裕をもたせるべきという提案もその通り。しかしながらそのための方法が週に一度は本棚をレビューせよという力業しか提示されておらず、システマティックな手法を期待して読むと肩透かしを食らう。別の文脈で定期的に本棚の写真を取り本棚が死んでいないかを見るべきというアイディアも提示されており、こちらを組み合わせるとレビューがしやすくなるかもしれない。
2段置きを前提として奥行のある本棚を推奨しているのも理解しかねるが、これも定期的に本棚のレビューをして本棚を後列の本を見えるように維持運用できるのが前提だろう。

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