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黒木真生, 麻雀プロ団体分裂と闘争の歴史 もめ続けた50年の真実を暴く

年間順位戦開始からRMU旗揚げあたりまでのプロ麻雀界の歴史 (Mリーグ以前、といった方がわかりやすいかもしれない) をまとめた一冊。当事者たちに加え、業界の生き証人とも言える馬場裕一までもが鬼籍に入ろうという今、こうした形でまとめられたことには大きな意義がある。まとめられた歴史を眺めてみると、そこで動く金額の小ささに驚く。著者も "はじめに" で触れているように、この金額規模であれば、利害を維持するために守ろうとする力も小さく、感情が優先された動きになるのがよく分かる。
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長田龍太, 中世ヨーロッパの武術

レンガ状の大著。第一部の概説はそこそこに (671ページ中の49ページまで)、大半は第二部の技紹介が占める。文献 (シェシトビュッフ) に残された武術を解釈し、膨大なイラストに起こした労作。通して読む本ではないかもしれないが、資料として手元に置いておきたい本。
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大河内直彦, チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る

気候変動の研究は様々な科学技術の集大成である。地質学はもちろんのこと、生物学、物理学、化学、あらゆる分野の発見が気候変動の研究に新たな知見をもたらす。観測技術の進歩により新たな研究が可能となることも多く、新たな発見により定説が覆り続けている。本書はそうした歴史を誠実に描いたものである。研究者の手による本であり、参考文献による裏付けがしっかりしているので安心して読める。それだけではなく、図版が非常に豊富なのが一般読者にはありがたい。科学的な内容だけではなく、関係する科学者たちの...
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ロバート・P・クリース (著), 青木薫(訳), 世界でもっとも美しい10の科学実験

10の実験の選定には異論がない。科学実験と謳いながらも物理実験に偏っているが、ここに割り込めるような化学や生物の実験があるかというと思い当たらない。"美しい" に重きをおいているせいもあり、科学実験自体の詳細な説明は最小限となっている。実験にまつわる科学者の描写も多め。このあたりのバランスは賛否が分かれるかもしれない。
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落合淳思, 漢字はこうして始まった 族徽の世界

3,000年以上前に青銅器に鋳込まれた原初の漢字である "族徽" の入門書。歴史の解説は程々にとどめ、初心者向けのクイズ形式の構成を取っているのが面白く、一気に読めてしまう。
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パオロ・マッツァリーノ, 会社苦いかしょっぱいか 社長と社員の日本文化史

「昔はよかった」病からさらに会社にまつわる日本文化を掘り下げたもの。コンプライアンスなどないに等しい時代のやりたい放題、マイホームの現実や通勤事情、休日の過ごし方など、当時の会社生活が現代からの想像とは大きくかけ離れたものであったことを膨大な資料に基づき検証していく。現代でも物議を醸しているビジネスマナーの歴史も面白い。
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有田正規, 学術出版の来た道

学会や大学図書館の中の人にでもならないとなかなか馴染みのない学術出版の世界。一歩足を踏み入れると、学術面からはインパクト・ファクターの登場による被引用数の偏重、研究者のピア・レビュー負担の増加など、商業面からは論文数の急増、高い利益率による儲けすぎ、大学図書館の負担額の増加など、さまざまな問題が噴出しており、それでもさまざまな学術誌がなくなる気配はない。まさに本書の帯にもある "複雑怪奇な世界" という言葉がよく似合う。本書はそうした学術出版の歴史を紐解くことで、それらの諸問...
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風見明, 相撲、国技となる

表題の "国技" の部分が曖昧なままなのが残念。相撲が "国技" と呼ばれるような地位を得るまでの過程や "国技館" の命名に至るエピソードはつぶさに述べられているのだが、肝心の "国技" の定義をしないままなのでモヤモヤしたまま終わってしまった。こうした細かい点を気にせずに、相撲が滅亡の危機から現在の "国技の地位" を得るまでの歴史読み物と割り切って読んだほうが楽しめるかもしれない。
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福地誠, ルポ マンション麻雀 バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態

よくnoteだけではなく書籍としても出版したな、というのが第一印象。マンション麻雀は劇画のネタにはなっているものの、活字の記録が週刊誌記事程度しか残っていない分野なので、その意味で貴重なルポタージュ。タイトルはマンション麻雀となっており実際に前半は2009-2014年頃のマンション麻雀事情を扱っているが、後半はその血を引き継ぐ歌舞伎町の高レート店の話。一応店名はぼかしているものの、見る人が見れば容易に特定できる。これらもいずれ歴史に埋もれていく存在かと思われるので、資料的な価...
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縄文ZINE(編), 望月昭秀(著), 小久保拓也(著), 山田康弘 (著), 佐々木由香(著), 山科哲(著), 白鳥兄弟(著), 松井実 (著), 金子昭彦 (著), 吉田泰幸 (著), 菅豊 (著), 土偶を読むを読む

ベストセラーとなったの検証本。たびたび売れてしまうトンデモ本の検証は誰かがやらねばならないにもかかわらず学術的には評価されない仕事であり、こうした努力に頭が下がる。本書ではこうした作業を "雪かき" と表現しており、実に的確な例えだと思う。こうした検証本としての役割を抜きにして、現在の縄文研究を学ぶうえでも良書。土偶がどこまでわかっていて、何がわかっていないのか、その概観を掴むことができる。