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山形浩生, 翻訳者の全技術

掲題の翻訳を中心としたさまざまなエッセイをまとめたもの。翻訳の話よりも読書論の方が面白く、特に積ん読の話は頷けるものが多い。それは、もはや積ん読の本を絶対にすべて読み切ることはあり得ないと悟ったあたりから始まる。ではじまる積ん読の有害性の議論は胸が痛くなる。
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左右社編集部(編), 〆切本

誰もが名を知る文豪から漫画家まで、90名の著者の〆切にまつわる話を集めた企画本。少し変わったところでは心理学者の樋口収による締め切り研究まで収録されている。作家というものは誰もが〆切とは切り離せない関係なわけで、そこに着目した企画の勝利と言える。いずれも出典がきちんと載っているので、気になる作家の続きが読めるのも良い。
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神山重彦, 物語要素176

世界中の神話や古典などのさまざまな "物語" の要素だけを抜き出して事典とする試み。読み物としても面白いし、創作の種としても良い。現在は完全版とも言えるが出ているので、そちらを読んだ方が良いかもしれない。
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内澤旬子, センセイの書斎 イラストルポ「本」のある仕事場

妹尾河童風のイラストでセンセイ方の書斎を紹介する企画。作家や評論家、人文系のセンセイがほとんどで、一部古書店や図書館も登場する。システマティックな整理法を駆使して書斎を作り上げているセンセイは少なく、そうしたノウハウを期待して読む本ではない。あくまでも読み物として楽しむ本。
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井狩春男, 井狩春男のヘンテコ本が好きなんだ

変わった本ばかりを集めたカタログ。サブカルやアート系が多めだが、まれに狂気を感じるような労作や資料価値の高い本が混ざっているので侮れない。非売品や自主流通本など入手困難な本が多いのが難。
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グラシン紙で古書を保護する

転居後にようやく本棚を整備し、死蔵していた古書を並べはじめた。戦前・戦後の麻雀本が中心だが、さすがに紙質が悪く痛みが激しいものも多い。それらを並べようとすると、何らかの保護が必要となる。そこで、グラシン紙によるカバーを試みることにした。グラシン紙というのは、古書店でよく使われている向こうが透けて見えるちょっとシャリシャリした触感のあの紙である。薄手でありながら意外に耐久性があり、手の脂や水分から本を守ってくれる。グラシン紙は束の状態で売られているので、それを買って本の大きさに...
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三宅香帆, (読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法

小説の "読み方" の指南本。小説の "書き方" を記した本は数あれど、"読み方" の本は希少。さすがに体系立てられた "読み方" を示す本ではなく、著者の推す小説ごとに読み方のコツを示しているに過ぎないが、読書の引き出しを増やすには良い本。
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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。 (8)

今回もエモい青春劇。その中で時事ネタのAI生成小説が違和感なく溶け込んでいるのが良い。
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鈴木哲也, 高瀬桃子, 学術書を書く

出版が専門ではない研究者が陥りがちなさまざまな罠が解説されており、学術書に限定せず技術書や教養書全般に通ずる内容が多い。例えば、"読者を想定してテーマを決める" ということは漠然とは理解していても、本書のように具体的に800人から1,000人の読者が関心を持って読める (初版部数1,000部が刷れる) ようにと指摘されると、相当にテーマを広げる工夫や魅力的なタイトルをつけることが必要となことに気付かされる。後半は入稿や校正の流れやマナーにも触れられており、論文出版との差がよく...
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有田正規, 学術出版の来た道

学会や大学図書館の中の人にでもならないとなかなか馴染みのない学術出版の世界。一歩足を踏み入れると、学術面からはインパクト・ファクターの登場による被引用数の偏重、研究者のピア・レビュー負担の増加など、商業面からは論文数の急増、高い利益率による儲けすぎ、大学図書館の負担額の増加など、さまざまな問題が噴出しており、それでもさまざまな学術誌がなくなる気配はない。まさに本書の帯にもある "複雑怪奇な世界" という言葉がよく似合う。本書はそうした学術出版の歴史を紐解くことで、それらの諸問...