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ヤニス・バルファキス(著), 関美和(訳), 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

ギリシャの元財務大臣による経済入門書。子供向けと言うほどやさしくはないが、大人が経済の歴史を整理するのには良いと思う。 著者の予想する市場社会の未来図は興味深い。自動化、競争がコストを押し下げ、また自動化を進めるロボットは消費者ではないため需要をも押し下げる。その結果として価格が製造コストを賄えない水準まで押し下げられる。こうして起きる経済危機はマルクスの予想とも一致する。 第二次世界大戦中の捕虜収容所で生まれた経済の事例も興味深い。腐らず長持ちし持ち運...
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冨田和成, 資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点

資本主義社会の攻略本。資本主義の未来を楽観視した上で、アービトラージを推奨する。 金融資本の運用一辺倒ではなく、元手を生み出すための人的資本の形成に半分以上を割いているのが特徴。その上で課税や社会保障を "重力" と呼び、重力の大きい人的資本から重力の小さい事業資本へシフトしていくことを勧めている。 金融資本の運用部分はプロと競合しにくい長期投資や新興銘柄を推奨。期限を切らない長期の大きな予測は概ね外れず、板が小さい新興銘柄はアービトラージの余地が生じや...
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野口悠紀雄, 金融危機の本質は何か ファイナンス理論からのアプローチ

ファイナンス理論のまともな入門書。 ややもすると疑似科学扱いされがちなファイナンス理論だが、実はきちんとした科学的な学問である。その証拠に、ファイナンス理論を用いても金儲けはできないとして、ヨーロッパやアメリカの伝統的・禁欲的な大学にも受け入れられている (中には工学すらも学問として受け入れていない大学もあることに注意)。 ファイナンス理論の内容は高度ではあるが、結論は極めて常識的なものだ。詐欺や犯罪行為によらず市場平均より高い収益率を継続的にあげられる...
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ジョシュア・ガンズ(著), 松田和也(訳), 子育ての経済学

経済学者の視点から見た子育て本。 子育ては子供との交渉ごとであり、子供は手強い取引相手とみなすとすべてがしっくりと来る。報酬に関して明確かつ客観的なルールを決めるのはどの親でも一度は試みることだろうが、子供たちはそんなルールに対して容易にルールのすきを突いてくる。トイレの成功にチョコレートの報酬を設定すれば、子供は一度のトイレで全部出しきらずに何度もチョコレートをせしめる戦略を覚えるのだ。
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ニック・ポータヴィー(著), 阿部直子(訳), 幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?

幸福経済学の啓蒙書。心理学、精神医学 (精神神経免疫学) などの研究成果を根拠とした主観的な幸福度に関する研究の紹介が中心。 個人の消費活動が隣人と張り合う気持ちに左右されるというジェームズ・デューゼンベリーの相対所得仮説は、ミルトン・フリードマンの恒常所得仮説と相容れないこともあり、主流派経済学からは軽視されていた。しかしながら、金持ちはたいてい貧乏人よりも貯蓄率が高いのにすべての国民が豊かになっても平均貯蓄率が上がらないという現象をうまく説明できるのは相対...
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クリス・ヒューズ(著), 櫻井祐子 (訳), 1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法

Facebookの共同創業者による自伝と保証所得の提案。 本書の多くの部分を占める自伝は、とてつもない成功体験に対する罪悪感が占めている。さほど裕福ではない家庭に生まれた著者は、マーク・ザッカーバーグのルームメイトになるという幸運 (著者は幸運を強調しているが、努力してハーバード大に入学し初期のFacebookで重要な役割を果たしているので、謙遜のし過ぎだとは思う) から巨万の富を得たが、これが現代の勝者総取り経済が内包する拡大力によるものであると述べる。 ...
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藤野英人, 投資家が「お金」よりも大切にしていること

プロの投資家としての考えをまとめたもの。資産運用会社の経営者としての意見も多い。 まずは様々な視点からお金持ちを肯定的に捉えていく。日本のヒーローには多くの公務員が含まれる (科学特捜隊、宇宙刑事、水戸黄門など) のに対し、アメリカのヒーローは基本的に民間人でその多くがお金持ちの実業家である (サンダーバード、バットマン、アイアンマン、チャーリーズ・エンジェル) という指摘は (例外を探せば色々と見つかるにせよ) 示唆に富む。 その一方で、株式ポートフォ...
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H・M・エンツェンスベルガー(著), 丘沢静也(訳), 小野寺舞(訳), お金の悪魔 フェおばさんの経済学レクチャー

小説仕立ての経済学本の定番である、経済をよく知る不思議な人物がお金のことを考えたこともない一般人にレクチャーするスタイル。所々に挿入されるお金に関する金言が興味深い。
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塚崎公義, 経済暴論 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体

暴論という表題だが、内容はかなりマトモ。 エコノミストは、経済学者、予想屋、市場予想屋、トンデモ屋を含む広い名前。自称エコノミストを見るときは、どれであるかを考えながら話を聴くのがよさそう。 筆者のバブルの見分け方は4つの基準。バブルではなく大丈夫とする理論の登場、景気が良いのにも関わらず金融緩和、今までに投資に興味がなかった人々が一斉に投資を始める (靴磨きの少年)、冷静に見られる外国の人間にバブルと考える人が多い。 粉飾決算が起こるのは構造上の...
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猫組長, 西原理恵子, 猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

元経済ヤクザによる経済コラム。西原理恵子のマンガは巻頭のみ。 すぐに活用できるようなネタは多くないが、読み物や話のネタとしては満点。その中で、HSBC等の海外口座開設の審査の通し方は数少ない実用的な内容。
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