sociology

movie

ピザ!

インド映画 "ピザ!" をAmazon Prime Videoで鑑賞。歌も踊りもないタイプだが、代わりに現代インドの格差やスラムの様子を丁寧に描いている。貧乏でもたくましく誇り高く (ときにずる賢く) 生きる兄弟、度重なる苦労に疲れ果てている母、孫には甘い祖母 (ピザが食べたいとせがむ孫に見様見真似でピザ風ドーサを作ってくれる) といった要素が重なり合った脚本は見事。
comic

塚原洋一(漫画), 片岡健(原作), マンガ「獄中面会物語」

殺人犯の実像を描くことを目的に、彼らとの面会を綴ったをマンガ化したもの。どこかで見たことがある絵柄だと思ったら、の人だった。 殺人犯と一口に言ってもその実態は様々だ。幼少期の愛犬の仇討ちのために綿密な計画を完遂した男、「意思の疎通が取れない障害者は安楽死させるべき」が正義と信じる男、軽度の知的障害が疑われる男。いずれも加害者側の取材のみに偏っており、また被害者を想うと簡単に肯定できるものではないが、マスコミ報道のイメージとはまた違った死刑囚の姿を見ることができ...
diary

小島拓(著), 弁護士法人畑中鐵丸法律事務所(法律監修), 融資地獄 「かぼちゃの馬車事件」に学ぶ不動産投資ローンの罠と救済策

かぼちゃの馬車事件を題材として、サラリーマン大家の実態や融資地獄に陥った場合の対処法などを解説している。 根底にあるのは、本来は先祖代々の地主や資産家が行ってきた不動産投資に、知識も資産も銀行との取引実績もないサラリーマンが参入するという歪み。これには、日本銀行の方針による金融緩和を受けて生まれたサラリーマン大家向けの融資が大きく関係している。こうして、多くのサラリーマン大家が採算の取れない物件を掴まされ、融資地獄に陥っている。 後半の融資地獄に陥った場...
book

三井誠, ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から

創造論を信奉するキリスト教根本主義や温暖化をでっちあげと批判する大統領など、米国を覆う科学不信に迫ったドキュメンタリー。 これらの科学不信の原因は知識の有無ではないかと思いがちだが、問題はそう単純ではない。そもそも人が知識に基づいて理性的に行動する存在というのが思い込みで、何かを決めるときに理性に頼る啓蒙主義も18世紀から広がった最近の流行に過ぎない。学校の先生から教えられた直感と反する進化論よりも、最も身近で信頼できる親から教えられ直感にも合う創造論を信じて...
book

ポール・クルーグマン(著), ジョージ・パパンドレウ(著), ニュート・ギングリッチ(著), アーサー・ラッファー(著), 町田敦夫(訳), 金持ちは税率70%でもいいvsみんな10%課税がいい 1時間でわかる格差社会の増税論

カナダのテレビ局BNNの公開討論番組を書籍化したもの。増税の賛否双方とも豪華なディベータで、双方の問題意識がどこにあるかを明確にしてくれる。単に感情的な意見や道徳的な視点にとどまらず、実現可能性についてもきちんと議論されているのが良い。
book

逢阪まさよし+DEEP案内編集部, 「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街

東京DEEP案内の書籍版。もともと毒の強いサイトではあるが、さらに "住みたくない街" というキーワードで絞り込んだ内容となっている。 巻頭の "住みたくない街" の見分け方は実践的な内容。駅前にあるものや駅周辺を歩いて得られる情報が、危険なサインを出していることも多い。 首都圏の主要な街をほぼ網羅しているので、自分の住んでいる街や住んだことがある街の記事を眺めるのも一興。巻末の索引が充実しているのも嬉しい。
book

ロナルド・ドーア(著), 石塚雅彦(訳), 働くということ グローバル化と労働の新しい意味

昨今の規制緩和の波に乗って、国内外の競争が激化し、職場での競争までもが激化している。その中で労働者が仕事と生活のバランスを取って幸福となるには、"働くということ" の意味を真剣に考えなければいけない。本書はその思索に必要なデータ一式と問いが揃っている。
book

朝日新聞取材班, 負動産時代 マイナス価格となる家と土地

人口減少・高齢化の中で必然的に発生する家余りにスポットを当てたドキュメンタリ。負動産に関する諸問題がコンパクトに詰め込まれた良書。 登記制度の問題から相続人が増え続けて身動きが取れなくなった不動産の実例を皮切りに、バブル期に乱造されたリゾートマンション、需要を大きく超えた建築ラッシュを生んだサブリースアパートなど、様々な不動産問題を扱う。それを面白おかしく取り上げるだけではなく、登記制度、不正確な公図、対策特別措置の限界など、それらの問題を生み出す構図にも踏み...
book

猫組長, 西原理恵子, 猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

元経済ヤクザによる経済コラム。西原理恵子のマンガは巻頭のみ。 すぐに活用できるようなネタは多くないが、読み物や話のネタとしては満点。その中で、HSBC等の海外口座開設の審査の通し方は数少ない実用的な内容。
book

阿部珠理, メイキング・オブ・アメリカ 格差社会アメリカの成り立ち

アメリカ先住民の研究者が描く、アメリカの不平等社会の成り立ち。 白人とインディアン、ピューリタンと非ピューリタン、南部貴族と黒人奴隷、ワスプとマイノリティ、資本家と労働者など、アメリカの歴史が格差の歴史そのものであることがよく分かる。それでも救いがあるのが、持たざるものにも社会上昇の機会があること。例えば、新たにやってきた移民労働者は労働者ピラミッドの最下層を形成し、それまでの移民労働者はピラミッドを一段上昇するという社会構造が挙げられる。
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