sociology

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三宅香帆, なぜ働いていると本が読めなくなるのか

労働と読書の歴史から、表題の「働いていると本が読めなくなる」問題に切り込む。定性的な話ばかりで定量的なデータは一切出てこないが、現代ではノイズ (ここでは自分が欲していた情報以外のもの、すなわち予想していなかった展開や知識などを指す) を含む読書よりもノイズが除去されたインターネット上の情報が好まれるという仮説は興味深い。
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西村晋(著), 井上純一(イラスト), 中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで

中国共産党と聞くと党大会のニュースで見る党中央ばかりが思い浮かぶが、それは中国共産党の頂点の部分に過ぎない。日本の報道によくある中国共産党の組織図も最上層部のみに過ぎず、実際には1億人に迫る一般党員が何層もの階層を形成して中国共産党を支えている。これだけの巨大組織をトップダウンだけで動かすのは不可能であり、ビジョンを共有して人の和 ("人和" は孫氏にも出てくる言葉であり中国の組織にも馴染みが深い) を成す必要がある。この部分を担う仕組みが中国共産党には内蔵されており、党中央...
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ダイアナ, 夜のことばたち

Twitterの有名アカウント、ダイアナの投稿漫画を単行本化したもの。水商売系の闇を描いた作品で、これもTwitter文学と言えるかもしれない。
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橘玲, 無理ゲー社会

出自ではなく個人の能力や業績により人生が決まるメリトクラシーな社会の構造を解き明かすのが本書の大きなテーマ。しかし、その正体が明らかになるにつれ、多くの人にとって攻略不能な "無理ゲー" であることも明らかとなってしまう。特に現代社会では生まれ持った知能が否応なしに格差を生み出してしまうが、身分制社会のように生まれのせいにすることも許されず、同じゲームに参加することが強制される。この "無理ゲー" による格差の拡大を食い止めるのは、戦争や革命、統治の崩壊、疫病などによる社会の...
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藤沢数希, コスパで考える学歴攻略法

日本の教育の「攻略本」。いわゆるお受験は対象外で、中学受験を経て中高一貫校から大学に進学するか、高校受験を勝ち抜いて進学校から大学に進学するかの比較が主題。日本で育つ大多数の子供はこの二択をすることになるので、親としてももっとも関心があるところだろう。 結論から言うと、ほとんどの家庭では公立中高から良い大学を目指すのがコストパフォーマンスの面からは最適になる。中学受験の費用を高校受験のための塾や大学受験のための予備校、短期留学に回したほうが効率が良い。中学受験は1,000万円...
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白正男(作), 山戸大輔(画), テコンダー朴 (7) (8)

さすがに韓国ネタが品切れ気味。皇族関係者のネタと日本の政治家ネタで繋いではいるが、やはり本来の韓国ネタを期待したいところ。
comic

早池峰キゼン, テンバイヤー金木くん (1) (2) (3)

COMIC MeDuの連載を単行本化したもの。転売という賛否両論のテーマながら、金木くん、大友くんをはじめとする主要キャラクタがどれも憎めない仕上がり。
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橘玲, 裏道を行け ディストピア世界をHACKする

常識やルールの裏をかくことで普通の人々の上を行くHACKがテーマ。HACKする対象は、恋愛、金融、脳、自己啓発と多岐にわたる。いずれの項目も過去の著作の焼き直しの部分が多いが、現況に合わせてアップデートはされている。
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鈴木大介, 老人喰い 高齢者を狙う詐欺の正体

振り込め詐欺の現場の密着ルポ。描写が幾分物語的に過ぎるとは思うが、妙にリアリティがある。 高齢者を狙う特殊詐欺犯罪犯が自身を正当化し加担する若者たちを洗脳する論理が興味深い。金を持っているが使わない老人たちは「若い世代の敵」であり「日本のガン」であり、彼らから金を奪うことは正義であるという理屈だ。荒唐無稽な理屈ではあるが、頑張っても経済的に報われない若者には刺さるところがあるのだろう。
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小島庸平, サラ金の歴史 消費者金融と日本社会

戦前から現代にいたるまでのサラ金や消費者金融の歴史を辿ることで、金融技術の発展やサラリーマンの実態、ひいては日本の経済史までもが見えてくる。 銀行などの金融機関から金を借りたくとも借りられない人々向けの高利貸の歴史は長く、戦前は個人間の資金貸借が盛んに行われていた。これがサラ金の源流と言える。とはいえその実態は素人高利貸に過ぎず、現代のサラ金に直接繋がる勢力が生まれるのは、戦後の団地金融を待たねばならなかった。 その団地金融の代表格が1960年代から1970年代にかけて消費者...