服部昇大, 邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん (6)
今回は江波先生によるエヴァ回が中心。描き下ろしも江波先生による庵野話。もちろんこのマンガが新劇場版のベタ褒めだけで終わるはずもなく、旧劇時代からの率直な感想が語られるので、リアルタイムで追いかけてきた世代の人間ならきっと共感できる。
齋藤孝, 50歳からの孤独入門
人生の下り坂を意識せざるを得ない50歳の生き方指南。特にきちんとした会社員を務めてきた人は自分のプライドやアイデンティティとの折り合いをつけながら生きる術を考えなければいけないのだと思う。
人生のゲームオーバーのときが見えてきた頃のお金との付き合い方の話には感じ入るものがある。本書の述べる
死んだときに100億円持っていても1億円持っていても変わらない。
「50歳になったときの預金通帳が、あなたのこれまでの人生の通知表です」
はいずれも一つの真実ではあると思う。世の中のマネー本にはまるで永遠に生きることを前提にしてお金を積み上げ続けることを良しとするようなものもあるが、50歳ともなると死ぬまでに使いきれるかを考えなければいけなくなる。それでもその年代での資産は一つの成功の指標ではあり、この後の大逆転はまずない。
また、50歳を過ぎて先が見えると執着がなくなり本を捨てられるようになるとの論にはまだまだピンとこない。50歳になる頃にその境地に辿り着ける気もしない。
青柳碧人, 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
ちょっと色物のミステリ本。赤ずきん、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、眠れる森の美女、マッチ売りの少女と誰もが知っているおとぎ話を題材としながらも、どの作品もきちんと一ひねりが入っている。特に登場人物の性格はどれも大胆な新解釈を入れている。かなり吹っ飛んだ性格の赤ずきんを名探偵役に据えたのも見事。
九井諒子, ダンジョン飯 (11)
吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (3)
伊瀬勝良(原作), 横田卓馬(漫画), すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 (8)
前巻に引き続きラブコメ路線。最初はチョイ役かと思っていた八雲がヒロインにのし上がってきた。店長の見せ場が多めなのも嬉しい。
M:tGの方はポータル三国志とウルザズ・レガシー。プロモもきっちりとそれに合わせて骨砕き/Bone Shredder。
松田行正, et 128件の記号事件ファイル
宇田川勝司, 日本で1日に起きていることを調べてみた
西村賢太, 小説にすがりつきたい夜もある
随筆集 一日を再編集したもの。氏にしては珍しい、私小説ではないエッセイだが、特に後半の色慾譚など自分をさらけ出す作風は変わりない。
橘玲, 事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある
週刊プレイボーイの連載 “そ、そうだったのか!? 真実のニッポン” を再構成したもの。もとがコラムだけにやや雑多な内容だが、表題ともなっている “事実 vs 本能” というテーマは通底している。