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大竹文雄(編著), 白石小百合(編著), 筒井義郎 (編著), 日本の幸福度 格差・労働・家族

大量のパネルデータを駆使して主観的幸福感に影響を与える要因を探る研究書。経済学の知識がなくとも読める内容だが、最低限の統計学の知識は必要。

日本のように所得の高い国では所得の増加が幸福度に与える影響は小さい、世帯所得が大きいほど幸福であるがその増加は逓減的である、資産額が増加すると幸福度が上昇するが2000万円程度で飽和する、健康な人は有意に幸福、利他的な人ほど幸福、など、多くの結果は直感と一致する。一方で、男性は女性より不幸であるが喫煙習慣をコントロールすると有意差がなくなる、時間割引率が高い人ほど不幸である、危険回避的な人ほど不幸である、といった結果は解釈の余地があり興味深い。

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バン・K・タープ(著), D・R・バートン・ジュニア(著), スティーブ・ジュガード(著), 柳谷雅之(訳), 井田京子(訳), 魔術師たちの投資術 経済的自立を勝ち取るための安全な戦略

まだFIREという言葉が流行る前の本ながら、経済的自立を達成するまでの道のりを扱っている。節約による種銭の確保からパッシブ収入の確保まで一通りを解説しているのは良い。しかしながら、資産運用の利回りはかなり楽観的で、ミューチュアルファンドや不動産投資を本書の通り行うことで超過利益が得られるという主張を鵜呑みにするのは危険だろう。また、米国の事情に依存した部分が多く日本人が取り込むには色々と工夫が必要となる。何かにつけて著者らのIITMのサイトなどへ誘導しようとするのにも閉口する。

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ロバート・P・クリース (著), 青木薫(訳), 世界でもっとも美しい10の科学実験

10の実験の選定には異論がない。科学実験と謳いながらも物理実験に偏っているが、ここに割り込めるような化学や生物の実験があるかというと思い当たらない。

“美しい” に重きをおいているせいもあり、科学実験自体の詳細な説明は最小限となっている。実験にまつわる科学者の描写も多め。このあたりのバランスは賛否が分かれるかもしれない。

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ナシーム・ニコラス・タレブ(著), 望月衛(訳), ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質 (上)(下)

決して読みやすい本ではないし、読んですぐに儲かるようになるわけでもないが、投資の本質というものを考える上で必ず読むべき本。

経済の事象の多くは正規分布のベルカーブに従うものではなくむしろ対数正規分布と捉えた方が実態に近いのだが、モデルの作りやすさや扱いやすさを重視して正規分布と仮定していることが多い。本書はそれぞれを月並みの国、果ての国とユーモアを持って名付け、その差異の解説に多くのページを割いている。

正規分布は外れ値である黒い白鳥 (ブラック・スワン) がいる世界を正しく予測できないが、不確実性を飼いならした気分にしてしまう。著者はこれを壮大な知的サギ (Great Intellectual Fraud) と容赦なく呼ぶ。著者がこうした不確実性について深く考え、リスクの本質に向き合わない学者やエコノミストに厳しい態度をとるようになったのは、レバノン内戦という “ブラック・スワン” を生き抜いた経歴が関係しているのだろう。

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