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津島隆太, セックス依存症になりました。決定版

<決定版>との表記があるのは、元となったWeb連載版を大幅に編集したため。しかしこの編集があまり良くなく、さらりとし過ぎた仕上がりになってしまっている。これから読む方は、なんとかしてWeb版を読むことをおすすめする。
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山北篤, 現代知識チートマニュアル

ラノベ作家でなくとも、広く浅くの雑学本として楽しめる。大ベテランの著者だけあり、トンデモな記述はほとんどない。 通読してみると、実は現代人の受けている教育というものがすでにチート級であるということに気づく。特に工学や農学、医学などは、基本的な知識ひとつで大きな利益が生み出せる可能性があることがよく分かる。
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さーたり, 中山哲夫, 感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた

医者兼マンガ家の手によるコミックエッセイでウイルスの基本が学べる。もちろん、新型コロナウイルスも取り上げられている。専門家自身が執筆しているだけあって内容は正確なのだが、抗生剤や抗原などいくつかの専門用語が説明なく登場するのは残念。索引も欲しいところ。 予防医学が報われないという話は身につまされる。IT系の運用も同じだが、似たような話は随所にあるだろう。
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宮下洋一, 安楽死を遂げるまで

スイス、オランダ、ベルギー、米国、スペインといった欧米の安楽死先進国を巡るルポタージュ。スイスの自殺幇助団体「ライフサークル」の代表であるエリカ・プライシックらへの取材を中心に構成されている。最終章では、いわゆる東海大学安楽死事件の関係者へのインタビューを通じて、日本の安楽死のあり方にも踏み込む。 もちろん、安楽死を容認している国々でも無制限に安楽死 (自殺幇助) が許されているわけではなく、国ごとに多少の差はあるものの、概ね以下のような条件を満たしている必要がある。すなわち...
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川田浩志(著), 福池和仁(監修), 世界一効率がいい最高の運動

ここでいう効率とは、短時間のトレーニングで有酸素運動 (脂肪燃焼) と無酸素運動 (筋トレ) の成果を同時に得られるということ。 その鍵はHigh Intensity Interval Training (HIIT) と呼ばれるトレーニング法で、その名前の通り高強度の運動 (最大心拍数が 208 - 0.7 × 年齢 程度となる運動) を短い間隔で繰り返すというシンプルなもの。シンプルすぎてあまり書くことがないためか、紙幅のほとんどがHIITを絶賛する情報で占められている。
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宮口幸治, ケーキの切れない非行少年たち

表題はキャッチーだが、中身はきちんとした発達障害の啓蒙書。現在多くの施設の治療プログラムの根幹となっている認知行動療法に異を唱え、そもそも認知能力に問題がある場合の効果が懐疑的であると説く。著者の児童精神科医としての勤務経験に基づいた理論は実に説得力がある。
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津川友介, 世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

この手の健康食本では珍しく、きちんとしたエビデンスがある誠実な本。それだけに結論は平凡で、魚、野菜と果物 (フルーツジュースとジャガイモは除く) 、茶色い (精製されていない) 炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類は体に良く、赤い肉 (加工肉を含む。鶏肉は含まない) 、白い (精製された) 炭水化物、バターなどの飽和脂肪酸は体に悪い、という驚きのまったくない内容。実践できているかは別として、多くの人の健康のイメージに合致するものだ。 また、これもこの種の本では珍しいことだが、何...
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Nike Training Club

iOS版のNike Training Clubを始めた。 第一印象は、「これで無料でいいの?」というもの。多少の個人情報や運動データと引き換えではあるが、質の高いトレーニングメニューが得られる。 時間制のメニューが多く (一部に回数制のものもある) 所要時間が明確なので、隙間時間に取り組みやすい用具不要のトレーニングが多いのも嬉しい。ただし、ヨガマットくらいはあった方が良い今どきのgamificationももちろん完備動画で動きがわかりやすいのも嬉しい。しかも日本語対応
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田房永子, キレる私をやめたい 夫をグーで殴る妻をやめるまで

ヒステリーでDVを振るっていた女性が、様々なセラピーやクリニックを経て、ゲシュタルトセラピーに辿り着くまでの物語。標準治療が (少なくとも患者視点では) 患者のニーズに応えられていない以上、こういった代替医療が受け皿となってしまっているのはやむを得ないと感じる。
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先崎学, うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

著名人がここまで赤裸々に語った闘病記は貴重。うつ病患者にとって何が嬉しかったかという記録は、同様の患者に接する際にも大いに参考になる。みんな待ってますという一言のように、存在価値を確認できるような言葉が大事なのだと思う。逆に、暗い人間を元気づけようと明るいことをはなすのは避けなければいけない。 幸いにして著者は1年程度で復帰しているが、これには精神科医である実兄のおかげによる最高に近い治療環境があったことは留意するべき。