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安田雪, 「つながり」を突き止めろ 入門! ネットワーク・サイエンス

少し前に流行ったネットワーク・サイエンスの入門書。現在のホット・トピックからは外れた感があるが、重要性が減ったわけではない。本書はそんなネットワーク・サイエンスを活用した人間関係研究を紹介してくれる。研究対象が電子メールやmixiだったりネットワークの規模が小さかったりとやや時代を感じるところはあるが、その裏にある人間関係ネットワークの本質的な部分は今でも変わっていない。メールログ分析と通信の秘密の関係や友人関係の定義の難しさなど、研究の現場ならではの話題も多く楽しめる。
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中島義道, 人生を <半分> 降りる 哲学的生き方のすすめ

何らかの職業を維持して月給をもらいながらなるべく好き勝手なことをする "半隠遁" のすすめ。ただ必要のない事柄から手を引き、人づき合いを制限して孤立し、自分がもうじき死ぬという事実と向き合いながら、残りの人生何をするべきかを考える。そうすることで、自己中心的にいきいきと生きることができる。かなりエッセイ寄りの作品で他の学者への批判も多いが、根底に哲学が流れているせいかあまり不快感はない。
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山形浩生, 翻訳者の全技術

掲題の翻訳を中心としたさまざまなエッセイをまとめたもの。翻訳の話よりも読書論の方が面白く、特に積ん読の話は頷けるものが多い。それは、もはや積ん読の本を絶対にすべて読み切ることはあり得ないと悟ったあたりから始まる。ではじまる積ん読の有害性の議論は胸が痛くなる。
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左右社編集部(編), 〆切本

誰もが名を知る文豪から漫画家まで、90名の著者の〆切にまつわる話を集めた企画本。少し変わったところでは心理学者の樋口収による締め切り研究まで収録されている。作家というものは誰もが〆切とは切り離せない関係なわけで、そこに着目した企画の勝利と言える。いずれも出典がきちんと載っているので、気になる作家の続きが読めるのも良い。
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内澤旬子, センセイの書斎 イラストルポ「本」のある仕事場

妹尾河童風のイラストでセンセイ方の書斎を紹介する企画。作家や評論家、人文系のセンセイがほとんどで、一部古書店や図書館も登場する。システマティックな整理法を駆使して書斎を作り上げているセンセイは少なく、そうしたノウハウを期待して読む本ではない。あくまでも読み物として楽しむ本。
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羽田圭介, 羽田圭介、家を買う。

多くの引っ越しを経て理想の家を購入するまでのエッセイ。さすがに文章は上手く、引き込まれる。庶民的な普通の若者の一人暮らしから始まり、芥川賞受賞後にそれなりに裕福な暮らしとなり、理想的な家を手に入れるまでの心境の変化を追った面白さもある。特に多くの趣味人が一度は思い描いたことがあるであろう、都内の住居とは別に地方に理想の仕事場を確保しようという計画 (と断念) は、他人事とは思えない。家の購入資金を確保するための投資遍歴も興味深い (が、投資の参考にはしない方が良いとは思う)。...
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井狩春男, 井狩春男のヘンテコ本が好きなんだ

変わった本ばかりを集めたカタログ。サブカルやアート系が多めだが、まれに狂気を感じるような労作や資料価値の高い本が混ざっているので侮れない。非売品や自主流通本など入手困難な本が多いのが難。
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宮沢章夫, 『資本論』も読む

資本論の解説書ではなく、資本論の読破に挑戦しました、というエッセイ本。特に資本論を読むためのヒントが含まれているわけではなく、あくまでも資本論と格闘する日々を綴っているに過ぎない。著者のファンなら楽しめると思う。しりあがり寿の挿絵にも注目。
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ナシーム・ニコラス・タレブ(著), 望月衛(訳), ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質 (上)(下)

決して読みやすい本ではないし、読んですぐに儲かるようになるわけでもないが、投資の本質というものを考える上で必ず読むべき本。経済の事象の多くは正規分布のベルカーブに従うものではなくむしろ対数正規分布と捉えた方が実態に近いのだが、モデルの作りやすさや扱いやすさを重視して正規分布と仮定していることが多い。本書はそれぞれを月並みの国、果ての国とユーモアを持って名付け、その差異の解説に多くのページを割いている。正規分布は外れ値である黒い白鳥 (ブラック・スワン) がいる世界を正しく予測...
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前野ウルド浩太郎, バッタを倒しにアフリカへ

あのバッタ博士のアフリカ (モーリタニア) 渡航記。著者の溢れ出るバッタ愛と文章力で一気に読んでしまう。純粋な研究録としても、自然科学分野のポスドクの実態の生々しい記録としても、異文化交流記としても、単純な読み物としても、非常に面白い。