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施川ユウキ, 鬱ごはん (5)

前巻に引き続きコロナ禍の中でのフードデリバリー編。時事ネタを取り込みながらもどこか普遍的な感情を揺さぶってくる独特の作風は健在。
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高世えり子, なるほど! カンタン! 理系ごはん

理系的な合理的な調理法かと思って手に取ったら、どちらかというと化学知識を活かした料理本だった。料理は科学実験とはよく言ったもので、相性が良い組み合わせだと思う。漫画もエッセイコミックの王道スタイルで読みやすい。
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広瀬友紀, ちいさい言語学者の冒険 子どもに学ぶことばの秘密

言語学者が子供の言語獲得の過程を観察したエッセイ集。 子供が日本語の無声音 (濁音) と有声音 (濁音) の対応のずれに気付く様子が実に興味深い。「「は」にテンテンつけたら何ていう?」という大人にとっては簡単な質問に答えられない子供が多いという現象がある。これは種を明かすと、「か-が」、「さ-ざ」、「た-だ」が正しく無声音-有声音の関係にあるのに対し、「は-ば」が全く対応していない音であるため。テンテンの正体を正しく知っている子供こそ答えられないちょっと意地悪な質問である。こ...
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目黒冬弥, メガバンク銀行員ぐだぐだ日記 このたびの件、深くお詫び申しあげます

M銀行のシステム側のグダグダは散々語られ尽くした感があるが、現場でお客さんと接していた行員たちの手記はまた新鮮。銀行の常識は世間の非常識とはよく言ったもので、旧態依然としたメガバンクの実態を見るとなかなかに気が滅入ってくる。それでもそんな銀行の仕打ちにも耐えながら立派に務め続けている著者の前向きな姿勢には頭が下がる。こうした暴露本の著者には珍しいタイプだと思う。
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板垣巴留, パルノグラフィティ

板垣巴留の自伝的エッセイ。板垣恵介の娘であることを公にした後の連載なので当然ながら父も登場しているが、その亭主関白っぷりと家族からの愛されっぷりが見られたのが一番うれしい。
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施川ユウキ, 鬱ごはん (4)

相変わらず鬱々とした展開だが読み続けてしまう魅力がある。クーポンメールによるタダメシ、コロナ禍でのフードデリバリーのバイトなど、プロレタリア文学のような趣すらある。
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川尻 こだま, あたしゃ川尻こだまだよ (1)

川尻こだまのマンガがついに単行本化。投稿をまとめただけのKindle本もあるが、こちらは一応描き直しと描き下ろしもあり。装丁も無駄に豪華。 川尻こだまには第二の西原理恵子の呼び声もあるが、そこまで攻めた作風でもなく、その乱れた食生活を中心とした日常系が中心。
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宇田川勝司, 日本で1日に起きていることを調べてみた

いわゆる統計雑学本。どれも単純な算術平均を出しただけなので統計の勉強となるかは微妙だが、「へー」と思わせるような意外な数値も多い。
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西村賢太, 小説にすがりつきたい夜もある

を再編集したもの。氏にしては珍しい、私小説ではないエッセイだが、特に後半の色慾譚など自分をさらけ出す作風は変わりない。
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橘玲, 事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある

週刊プレイボーイの連載 "そ、そうだったのか!? 真実のニッポン" を再構成したもの。もとがコラムだけにやや雑多な内容だが、表題ともなっている "事実 vs 本能" というテーマは通底している。