book高橋洋一, 統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる 全体の半分ほどの分量を占める第1章は表題通りの統計・確率の話。こちらはベイズ確率、標本、シミュレーションの基本、第一種過誤と第二種過誤など、よく誤って使われている言葉を広くカバーしている。後半は統計・確率とはほぼ関係のない東電問題や自身の政策の話で、やや寄せ集め感がある。2023-04-15book
comic大石 浩二, トマトイプーのリコピン (6) (7) 打率が高いカロちゃんとサブレちゃんの登場回が多めで嬉しい。三途川渉先生との奇跡のコラボとミラクル対談も収録。2023-01-08comic
book坂井豊貴, 多数決を疑う 社会的選択理論とは何か 誰もが疑いなく使っている多数決だが、よくよく検討してみると存外に性質の良くない集約ルールだと分かる。棄権防止性、中立性は備えるものの、ペア敗者基準、ペア勝者 (弱) 基準といった基本的な性質を満たさないという致命的な問題がある。この問題を解決もしくは緩和する集約ルールとしてボルダルールやコンドルセ・ヤングの最尤法などがあるが、直感的な理解のしやすさなどを考えるとボルダルールが現実解だろうか。これだけ問題のある多数決が広く採用されているのは、もちろんそのわかりやすさに依るところ...2022-08-20book
comic大石 浩二, トマトイプーのリコピン (5) 一時期は単行本の刊行が止まっており色々と危ぶまれたが、再び安定してきたようで嬉しい。今回は三途川渉先生のインタビューや肛門のデーモンも完全収録。わかってらっしゃる。2021-12-05comic
book飯山陽, イスラム2.0 SNSが変えた1400年の宗教観 イスラム教は神の言葉を書き留めたコーランや預言者ムハマンドの言行録であるハディースといった啓示に従うのがその本義である。ところが、発祥以来1400年間のイスラム1.0は啓示の知識を法学者が独占することで、イスラム法と啓示の乖離を許容しながらも現実と折り合いをつけ、社会の安定に努めてきた。しかしながら、インターネットを通じて啓示テキストに簡単にアクセスできるようになると、原理主義的なイスラム2.0が台頭してくるようになった。このイスラム2.0の最も先鋭的な姿がジハード主義者であ...2021-10-23book
book橘玲, 事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある 週刊プレイボーイの連載 "そ、そうだったのか!? 真実のニッポン" を再構成したもの。もとがコラムだけにやや雑多な内容だが、表題ともなっている "事実 vs 本能" というテーマは通底している。2021-08-26book
comicヤン・ビョンソル(著), トラッシュ(訳), 嫌日流 歴史認識には踏み込むときりがないので触れないが、それ以前にマンガとしてまったく面白くないのが致命的。どんな主義主張であってもギャグやユーモアに昇華できていればマンガとしてはアリだと考えているが、ただただ退屈な自説を垂れ流すだけでは読むのが辛い。2021-08-15comic
book顧蓉(著), 葛金芳(著), 尾鷲卓彦(訳), 宦官 中国四千年を操った異形の集団 中国史を語る上で外すことのできない宦官システムの研究書。宦官の発生から衰退までの歴史はもちろんのこと、宦官の性器切除が肉体や精神、そして行動へ与える影響にも紙幅を割き、生き生きとした描写をしているのが特徴的。そもそもの宦官の発生は、専制君主による多妻制を支えるためであると解く。漢武帝故事によると武帝の後宮には7-8,000人の美女が生活していたとされ、男手なしで維持することは困難であった。そんな環境で私通を回避し、后妃たちが生んだ後継ぎが間違いなく君主の子であることを保証する...2021-08-03book
comic大石浩二, トマトイプーのリコピン (4) 前巻から2年ぶりの新刊。残念ながらジャンプ版の収録はないが、ジャンプ+版の攻めたネタや実験的な作品が漏れなく収録されているのは嬉しい。巻末には矢倉の囲いも収録。2021-05-30comic
book橘玲, 朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論 朝日新聞のリベラリズム (戦後民主主義) が嫌われ、日本のリベラルが退潮しているように見えるのは、それらがグローバルスタンダードのリベラリズムと乖離しているためと説く。グローバルスタンダードのリベラル (ネオリベ) に最も近いのは現在の自民党政権の経済政策だが、安全保障の分野では保守の立場を取っていることから右と左の関係が混乱し、リベラルの理解が妨げられているのだろう。2021-03-19book