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小島拓(著), 弁護士法人畑中鐵丸法律事務所(法律監修), 融資地獄 「かぼちゃの馬車事件」に学ぶ不動産投資ローンの罠と救済策

かぼちゃの馬車事件を題材として、サラリーマン大家の実態や融資地獄に陥った場合の対処法などを解説している。 根底にあるのは、本来は先祖代々の地主や資産家が行ってきた不動産投資に、知識も資産も銀行との取引実績もないサラリーマンが参入するという歪み。これには、日本銀行の方針による金融緩和を受けて生まれたサラリーマン大家向けの融資が大きく関係している。こうして、多くのサラリーマン大家が採算の取れない物件を掴まされ、融資地獄に陥っている。 後半の融資地獄に陥った場...
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長谷川裕雅, 磯野家の相続

入り組んだ大家族でありながら日本人ならば誰もが知っている磯野家を例題に据えた相続本。例題の力はやはり強力で、様々な相続の事例がすっと頭に入ってくる。 中盤以降は磯野家があまり登場しなくなり、一般的な相続本のようになってしまっているのがやや残念。
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朝日新聞取材班, 負動産時代 マイナス価格となる家と土地

人口減少・高齢化の中で必然的に発生する家余りにスポットを当てたドキュメンタリ。負動産に関する諸問題がコンパクトに詰め込まれた良書。 登記制度の問題から相続人が増え続けて身動きが取れなくなった不動産の実例を皮切りに、バブル期に乱造されたリゾートマンション、需要を大きく超えた建築ラッシュを生んだサブリースアパートなど、様々な不動産問題を扱う。それを面白おかしく取り上げるだけではなく、登記制度、不正確な公図、対策特別措置の限界など、それらの問題を生み出す構図にも踏み...
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諸富徹, 私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史

税金の成り立ちを追ってみると、租税の仕組みそのものが国家であることがわかる。 著者はまずホッブズとロックの租税論に立ち返る。彼らが租税を国家が市民に提供する便益への対価と定義したことが、国家を形づくったと言える。すなわち、王権神授説から社会契約論にもとづく国家論への転換である。イギリス社会では納税を権利とみなす自発的納税倫理が定着していたのも、この影響が大きい。 一方、無数の領邦国家に分裂していた後進国ドイツでは、イギリスやフランスといった先進国家に対抗...
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佐藤弘幸, 富裕層のバレない脱税 「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで

著者は国税局資料調査課に所属していたことをこれでもかと強調しており、古巣への強い愛着を感じる。 脱税と租税回避を一緒くたにして語り、その上で明らかに合法と思われる租税回避を悪者扱いというのは理解に苦しむが、これが国税局の内部の人間の本心なのだろうと思う。
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安間伸, ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016

2003年版を大幅に改訂したもの。この10数年で大きく変わった投資税制を反映し (2003年時点では株式や投資信託の譲渡損失と配当金や分配金の損益通算すらできなかった) 、戦略も大きく練り直されている。 円MMF、公社債投信、利付債、割引債などが株式や投資信託との損益通算ができるようになった今、預金をする理由はなくなった。 複数の特定口座があれば、申告不要制度を最大限に活用できる。都合の良い特定口座だけを確定申告すれば良い。 雑所得になる投資はしな...
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岡本吏郎, 会社にお金が残らない本当の理由

中小企業向けの経営指南書。 経営の最終到達点は1円でも多くお金を残すことと説く。これは内部留保を増やすことと同義。これだけ聞くと当たり前に聞こえるが、節税のために目一杯役員報酬を払っている場合は、そこに再投資のための内部留保が含まれていることを忘れがち。役員報酬はあくまでも合法的裏金に過ぎない。 銀行よりも仕入先、友人、親戚を大事にしろというのは同意できる。すべてがゼロになって再起を図るときに協力してくれる大事な人を道連れにしてはいけない。 決算書...
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橘玲, ダブルマリッジ The Double Marriage

久しぶりに橘玲の小説。タックスヘイヴン以来。 今回は得意のマネー系のネタではなく、法制度の隙間が主題。小説としてはご都合主義が過ぎるが、要所要所に盛り込まれる臨場感溢れるフィリピンの描写などはさすがと感じる。
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清武英利, プライベートバンカー カネ守りと新富裕層

シンガポールを中心に繁栄するプライベートバンクを取り上げたドキュメンタリ。堂々と実名を挙げている点が印象的。 プライベートバンカー、シンガポールへ移住する富裕層、国税庁の調査官など様々な立場からプライベートバンクを眺めており、個々のエピソードはどれも興味深いのだが、ぶつ切りの情報をただ並べただけにも感じてしまう。
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三木義一, 日本の税金 新版

直球のタイトルだが、その看板に偽りなし。 日本の税金がどのような仕組みで成り立っているかが高い視点から解説されており、小手先の節税本などとは一線を画している。即座に役に立つ本ではないが、税の基本を学ぶ教科書としておすすめできる。
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