top

大内伸哉, どこまでやったらクビになるか サラリーマンのための労働法入門

タイトルからはサラリーマンがどこまで攻められるかという指南本を想像してしまうが、中身はかなりまっとうな労働法の事例集。賃金、労働時間、転職など、労働者が直面する問題は一通りカバーされている。

book

柳治男, <学級> の歴史学

現代の日本の公教育で当たり前となっている “学級” だが、中世までの学校には存在しないものであった。当時は教室 (class room) すら存在せず、ひとつの教場 (school room) にまちまちの年齢の生徒が集まって教育を受けるのが一般的であった。本書は学級制に基づく学校、すなわち義務教育制度が成立する過程を丁寧になぞり、その上で現代日本の学校がはらんでいる問題を明らかにするものである。

学級が存在するにはその前提として学習内容を時間割として定めておく必要がある。これは事前制御 (forward control) そのものであり、事前に計画されたスケジュールに沿って行動するパックツアーに類似する。実際に学級制を生み出したイギリスでは両者は同時期に発生し、いずれも荒廃した社会を改良する目的を備えていた。

こうした学級制度は世界中に見られるものであるが、さらに日本の学級では一斉教授方式を中心とし、教授活動以外のあらゆる活動を取り込んだ生活共同体的性格を持っている。これは学級制を導入した明治後半という時代に大きな影響を受けている。当時の村落共同体は未だ特定機能充足のためのパッケージである学級制を受け入れる準備が整っておらず、彼らの論理を取り込み生活共同体化するのは必然であった。

学校にまつわる様々な問題を正しく議論するには、こうした学級制の枠の認識が欠かせない。学級制のパッケージを用いる限り、教師の自己決定権は大幅に制約される。教育の成功も失敗も教師・生徒関係だけによるものではなく、学級による教育が制約している。

book

クリフォード・A・ピックオーバー(著), 川村秀憲(監訳), 佐藤聡(訳), 人工知能 グラフィックヒストリー

広義の人工知能の歴史を俯瞰できる本。原著が2019年の発行のため、LLMは触れられていないが、ディープラーニング (1965年) は取り上げられている。見開き1トピックの構成で、グラフィックヒストリーの名の通り歴史的な画像やイラストが添えられている。画像も含めて出典が一覧になっているのも嬉しい。

book

聖飢魔II 地球デビュー40周年 期間限定再集結 大黒ミサツアー 「THE END OF SEASON ONE」

35++執念の大黒ミサツアーFINALは参拝券まで確保していたが、家族が当日に体調を崩したために泣く泣く諦めた経緯がある。そのため、この40周年の大黒ミサこそが私にとっての執念の大黒ミサとなる。

参拝したのは初日の東京ガーデンシアター。聖飢魔IIの信者はセットリストの公開禁止を厳格に守るのでネタバレの心配はないのだが、それを抜きにしてもやはり初日は格別。東京ガーデンシアターはアクセスは今ひとつだが、立体感のある座席構成で見やすいのがありがたい。ショッピングモール隣接で飲食に困らないのも助かる。会場付近は悪魔の姿に扮した信者が多数。それでも治安が悪く感じないのは信心の高さか。

セットリストの内容は書かないが、前回に引き続きのKAMISORI SYUTOや今回初参戦となるRENOファウストといったサポートメンバーも噛み合っており、高齢化が懸念される構成員を上手くサポートしていた。また、サプライズ発表が多かったのが印象的。聖飢魔II VS BABY METAL 悪魔が来たりてベビメタる新譜LP大教典『Season Ⅱ』の発布には会場が沸いていた。物販も充実。家内はちゃっかりとライデン湯沢殿下のテディベアを購入していた。

diary
タイトルとURLをコピーしました