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エリック・バーカー(著), 橘玲(監修), 竹中てる実(訳), 残酷すぎる成功法則

広い意味ではいわゆる成功本に含まれるのだろうが、科学的なエビデンスを重視しているのが類書とは違うところ。巻末の膨大な参考文献は伊達ではない。"成功" にまつわる幅広いテーマを扱っているぶん総花的であり、すべてを一度に実行するのは難しいだろうが、ひとつひとつが "成功" の確率を上げてくれるのは間違いない。
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鈴木哲也, 高瀬桃子, 学術書を書く

出版が専門ではない研究者が陥りがちなさまざまな罠が解説されており、学術書に限定せず技術書や教養書全般に通ずる内容が多い。例えば、"読者を想定してテーマを決める" ということは漠然とは理解していても、本書のように具体的に800人から1,000人の読者が関心を持って読める (初版部数1,000部が刷れる) ようにと指摘されると、相当にテーマを広げる工夫や魅力的なタイトルをつけることが必要となことに気付かされる。後半は入稿や校正の流れやマナーにも触れられており、論文出版との差がよく...
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有田正規, 学術出版の来た道

学会や大学図書館の中の人にでもならないとなかなか馴染みのない学術出版の世界。一歩足を踏み入れると、学術面からはインパクト・ファクターの登場による被引用数の偏重、研究者のピア・レビュー負担の増加など、商業面からは論文数の急増、高い利益率による儲けすぎ、大学図書館の負担額の増加など、さまざまな問題が噴出しており、それでもさまざまな学術誌がなくなる気配はない。まさに本書の帯にもある "複雑怪奇な世界" という言葉がよく似合う。本書はそうした学術出版の歴史を紐解くことで、それらの諸問...
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シャロン・モアレム(著), ジョナサン・プリンス(著), 矢野真千子(訳), 迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか

人間を弱らせるような遺伝性の病気の遺伝子が何千年も自然淘汰されずに人類の遺伝子プールに残り続けているのは偶然ではない。その病気には子孫を残すために有利な要素が何かしらあったはずだ。本書はそうした "迷惑な進化" であるヘモクロマトーシス、糖尿病、ALDH2-2 (日本人も多い酒が飲めない遺伝子だ) が生き残った理由を教えてくれる。読み物としては面白いが、後半ではアクア説に傾倒している様子が見られたりと科学的な正確さよりもエンターテイメントに重きをおいているふしがあるので、自分...
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John Berryman(著), Albert Ziegler(著), 服部佑樹(訳), 佐藤直生(訳), LLMのプロンプトエンジニアリング GitHub Copilotを生んだ開発者が教える生成AIアプリケーション開発

日進月歩のLLMの世界ではあるが、あまり古くならない基礎の部分をしっかりと押さえているので読む価値がある。LLMがあくまでも文章の補完であるという根幹は、当面は変わらないだろう。プロンプトの組み立て方やモデルの制御もこの補完の原則に沿って書かれているので理解し易い。
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ノリーナ・ハーツ(著), 中西真雄美(訳), 情報を捨てるセンス 選ぶ技術

断捨離ブームの頃の出版のせいか "捨てる" を前面に出した表題となっているが、内容は原題の "How to Make Smart Decisions in a Confusing World" の方が適切。情報があふれる社会でいかに適切な意思決定を送るかを主題に据えている。よくあるリテラシ本と重複する部分も多いのだが、STEP 9で自分の感情によって判断がブレる点に触れているのは新しい。論文的な裏付けがあるような記述が多いが、参考文献が示されていないのが残念。
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お知らせ, 世界最強麻雀AI Suphxの決断

Suphxの衝撃の続編。他人の褌で相撲を取っている以上は仕方がないのだが、今回もSuphxの牌譜を見ての解説止まり。内容は悪くなく、Suphxの打ち筋から得られる知見もあるのだが、構成が今一つでもったいない。Suphxの牌譜からどうしてその場面を選んだかの基準が不明確で、解説しやすい場面だけを恣意的に選んだようにも見える。Suphxの打牌を解説する形式にもかかわらず、肝心のSuphxの打牌が本文中に埋もれているので、まずはそれを探し出してから解説を読むことを強いられる。版組が...
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前野ウルド浩太郎, バッタを倒しにアフリカへ

あのバッタ博士のアフリカ (モーリタニア) 渡航記。著者の溢れ出るバッタ愛と文章力で一気に読んでしまう。純粋な研究録としても、自然科学分野のポスドクの実態の生々しい記録としても、異文化交流記としても、単純な読み物としても、非常に面白い。
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佐藤雅彦, 大島遼, 廣瀬隼也, 解きたくなる数学/新・解きたくなる数学

2冊まとめて購入。普通の数学パズル本とは異なり、"解きたくなる" ようなビジュアルが添えられているのがミソ。子供の食いつきも良い。
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ランドール・マンロー(著), 吉田三知世(訳), ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学

ランドール・マンローの名前を聞いたことはなくとも、xkcdの中の人と言えばわかる人も多いだろう。おなじみの棒人間のイラストと共にバカバカしい科学を提供してくれる。内容はいちいちバカバカしいのだが、科学的な記述は大真面目なので子どもに読ませても良い。特にさまざまな投擲の統一モデルは、モデルを作成する際の抽象化を学ぶのに良い教材であり、物理の教科書に載せても良いレベル。