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木村尚嵩, 麻雀コンボ理論 放銃率の見積もりと押し引き戦術

表題のコンボ理論は前半の3章まで。後半はほぼ押し引きや形式テンパイの話で、こちらはあまり新規性がない。コンボ理論は、愚形も含めて待ちとなる組み合わせ数をコンボ数と定義し、その多寡により危険度を割り出そうという提案。古典的なワンチャンスを拡張したものとも言える。ある程度打てる人は自然に実行していると思うが、明示的に示されたことには価値がある。打ち手の思惑によりコンボ数と実際の放銃率にズレが出ると思われるが、実戦データでの検証が行われていないのが残念。コンボ数と実践で待ちとなって...
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デイヴィッド・オレル(著), 大田直子(訳), 鍛原多惠子(訳), 熊谷玲美(訳), 松井信彦(訳), 明日をどこまで計算できるか? 「予測する科学」の歴史と可能性

おそらく人類がずっと欲してきた (が現在まで成功していない) 天気、病気、経済の未来予測がどこまでできるか (できないか) を誠実に解説した本。結論から言うと、現在もそれらの予測は当て推量 (例えばある特定の日の天気を、一年の中のその日の平均値である気候値と同じになると予測するナイーブ予測) と大差ない。19世紀までの決定論的科学は精度の高い将来予測を提供し、実際に惑星の運動を簡単な方程式で求めることを可能としてきた。しかしながら、天気、病気、経済といった非線形なシステムはカ...
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茂里憲之, カードゲームで本当に強くなる考え方

カードゲームという表題だが、ほぼトレーディングカードゲームが対象。中でもMagic: The Gatheringに寄せている。確率論に加えて認知科学をどうカードゲームに橋渡しするかという視点は新鮮。有名な法則をあれこれ持ってきてこじつけているような節も見られるが、いままでカードゲームと結びつけられていなかった概念を持ち込んだのは価値がある。トレーディングカードゲーム用語が脚注もなしにでてくるので、ある程度それらに馴染んでいるが感覚のみでプレイしており伸び悩んでいる人向けか。
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高野文子, ドミトリーともきんす

朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹という日本を代表する科学者たちの読書案内だが、ひとひねりして彼らが下宿する学生寮を舞台とした連作短編漫画に仕上げている。(おそらく多くの読者が期待する) 高野文子らしさという点では少々物足りないが、円熟したシンプルな線画が心地よい。
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マット・リドレー(著), 大田直子(訳), 人類とイノベーション 世界は「自由」と「失敗」で進化する

人類の生活を豊かにするイノベーションがどのような仕組みで起きるのかを豊富な事例を用いて解説する。前半はエネルギー、公衆衛生、輸送、食料といった生活を支える基礎的な分野のイノベーションの事例を取り上げ、後半はそれらの事例の共通項からイノベーションの本質を論じる。イノベーションには "やってみて学習する" という泥臭い過程が欠かせず、コストや規制により繰り返しの実験が難しい分野でイノベーションが起きることはない。原子力発電がその代表例である。イノベーションは都市 (特に自治都市)...
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エドワード・ハリソン(著), 長沢工(監訳), 夜空はなぜ暗い? オルバースのパラドックスと宇宙論の変遷

宇宙が無限に広がっているのならば、素朴に考えると全天のすべてが星に満たされているはずである。しかしながら現実の夜空は闇に覆われており、星はその中に散りばめられているに過ぎない。これが有名なオルバースのパラドックスである。このパラドクスへの回答を得る道のりは宇宙論の歴史そのものであり、それぞれの時代の最新の宇宙の解釈が注ぎ込まれてきた。原題の基準でみると珍妙な理論も多いが、その時代背景や観測技術の限界を考慮するといずれも一応の筋は通ったものと言える。
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グレゴリー・コクラン(著), ヘンリー・ハーペンディング(著), 古川奈々子(訳), 一万年の進化爆発

人類は文化的・社会的な要因により予想以上の速度で進化していたという説。農耕の開始が高々数百年から数千年というオーダでの自然選択を引き起こしたというのにも驚くが、アシュケナージ系ユダヤ人に至っては迫害などの社会的な理由によりさらに短期間で自然選択が働いたとされる。まだ反論はあるだろうが、さまざまな証拠がこの説を後押ししているように思える。
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安田雪, 「つながり」を突き止めろ 入門! ネットワーク・サイエンス

少し前に流行ったネットワーク・サイエンスの入門書。現在のホット・トピックからは外れた感があるが、重要性が減ったわけではない。本書はそんなネットワーク・サイエンスを活用した人間関係研究を紹介してくれる。研究対象が電子メールやmixiだったりネットワークの規模が小さかったりとやや時代を感じるところはあるが、その裏にある人間関係ネットワークの本質的な部分は今でも変わっていない。メールログ分析と通信の秘密の関係や友人関係の定義の難しさなど、研究の現場ならではの話題も多く楽しめる。
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リチャード・セイラー(著), キャス・サンスティーン(著), 遠藤真美(訳), 実践 行動経済学

表題はかなり意訳。内容は原題の通りほぼナッジ (nudge) の話だが、リチャード・セイラーの著作のためマーケティング上の理由で行動経済学と入れているものと思われる。ナッジを社会で活用する方法として、リバタリアン・パターナリズムを提唱している。これは、インセンティブとナッジを適切に配置することでヒューマン (現実の人間を理想的な経済人であるエコノと区別してこう呼んでいる) の生活を向上させようという思想であり、広い意味ではパターナリズムに含まれる。しかしながら、これはあくまで...
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雨宮純, あなたを陰謀論者にする言葉

さまざまな陰謀論やオカルトを取り上げるだけではなく、それらが相互に与えた影響を分析してるのが新しい。通底するニューエイジやスピリチュアルを軸に据えて整理すると、怪しげな自己啓発やマルチ商法の位置づけもはっきりしてくる。