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高野文子, ドミトリーともきんす

朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹という日本を代表する科学者たちの読書案内だが、ひとひねりして彼らが下宿する学生寮を舞台とした連作短編漫画に仕上げている。(おそらく多くの読者が期待する) 高野文子らしさという点では少々物足りないが、円熟したシンプルな線画が心地よい。
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マット・リドレー(著), 大田直子(訳), 人類とイノベーション 世界は「自由」と「失敗」で進化する

人類の生活を豊かにするイノベーションがどのような仕組みで起きるのかを豊富な事例を用いて解説する。前半はエネルギー、公衆衛生、輸送、食料といった生活を支える基礎的な分野のイノベーションの事例を取り上げ、後半はそれらの事例の共通項からイノベーションの本質を論じる。イノベーションには "やってみて学習する" という泥臭い過程が欠かせず、コストや規制により繰り返しの実験が難しい分野でイノベーションが起きることはない。原子力発電がその代表例である。イノベーションは都市 (特に自治都市)...
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エドワード・ハリソン(著), 長沢工(監訳), 夜空はなぜ暗い? オルバースのパラドックスと宇宙論の変遷

宇宙が無限に広がっているのならば、素朴に考えると全天のすべてが星に満たされているはずである。しかしながら現実の夜空は闇に覆われており、星はその中に散りばめられているに過ぎない。これが有名なオルバースのパラドックスである。このパラドクスへの回答を得る道のりは宇宙論の歴史そのものであり、それぞれの時代の最新の宇宙の解釈が注ぎ込まれてきた。原題の基準でみると珍妙な理論も多いが、その時代背景や観測技術の限界を考慮するといずれも一応の筋は通ったものと言える。
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グレゴリー・コクラン(著), ヘンリー・ハーペンディング(著), 古川奈々子(訳), 一万年の進化爆発

人類は文化的・社会的な要因により予想以上の速度で進化していたという説。農耕の開始が高々数百年から数千年というオーダでの自然選択を引き起こしたというのにも驚くが、アシュケナージ系ユダヤ人に至っては迫害などの社会的な理由によりさらに短期間で自然選択が働いたとされる。まだ反論はあるだろうが、さまざまな証拠がこの説を後押ししているように思える。
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安田雪, 「つながり」を突き止めろ 入門! ネットワーク・サイエンス

少し前に流行ったネットワーク・サイエンスの入門書。現在のホット・トピックからは外れた感があるが、重要性が減ったわけではない。本書はそんなネットワーク・サイエンスを活用した人間関係研究を紹介してくれる。研究対象が電子メールやmixiだったりネットワークの規模が小さかったりとやや時代を感じるところはあるが、その裏にある人間関係ネットワークの本質的な部分は今でも変わっていない。メールログ分析と通信の秘密の関係や友人関係の定義の難しさなど、研究の現場ならではの話題も多く楽しめる。
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リチャード・セイラー(著), キャス・サンスティーン(著), 遠藤真美(訳), 実践 行動経済学

表題はかなり意訳。内容は原題の通りほぼナッジ (nudge) の話だが、リチャード・セイラーの著作のためマーケティング上の理由で行動経済学と入れているものと思われる。ナッジを社会で活用する方法として、リバタリアン・パターナリズムを提唱している。これは、インセンティブとナッジを適切に配置することでヒューマン (現実の人間を理想的な経済人であるエコノと区別してこう呼んでいる) の生活を向上させようという思想であり、広い意味ではパターナリズムに含まれる。しかしながら、これはあくまで...
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雨宮純, あなたを陰謀論者にする言葉

さまざまな陰謀論やオカルトを取り上げるだけではなく、それらが相互に与えた影響を分析してるのが新しい。通底するニューエイジやスピリチュアルを軸に据えて整理すると、怪しげな自己啓発やマルチ商法の位置づけもはっきりしてくる。
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有田正規(著), 科学の困ったウラ事情

学術出版の来た道から遡ってもう一冊。現代の研究者の実態、学術論文制度の限界、不正が起きる原因など、みんなが思っているがなかなか言えないことをズバリと書いてくれた。著者は生命情報科学の研究者だが、自分の関与する情報通信分野でも他人事ではない。
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岡野原大輔, ヒトとAI

AIとの付き合い方を考える本。現在のAIはすでに一般化、因果の把握、反実仮想、転移と頑健性、説明可能性といった能力を獲得しており、外形的にはものごとを "理解" しているといえる水準に達している。しかしながら、AIは当事者性が欠如しており、判断の結果を引き受けることはできない。AIを仕事に組み込むということは、こうした不一致を前提として仕事を再設計することである。この当事者性がないという点はAIの本質によるものであり、技術の多少の進歩で解決できるものではない。AIを利用してい...
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Brian W. Kernighan(著), 久野靖(訳), ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室

カーニハンによるプリンストン大学の講義を書籍化したもの。原著は2011年、訳書は2013年の発行のため、AI・機械学習分野は漏れているが、そこさえカバーすれば今でもそのまま教科書として使用できる。情報専攻の学生には少々物足りないかもしれないが、専門外の学部生には十分な内容。