英語だけを学んでいると気が付かないことだが、英語はインド・ヨーロッパ語族の中でもかなり特異な言語である。そこで、他のヨーロッパ言語、特に著者の専門であり同じゲルマン語から枝分かれした兄弟語でもあるドイツ語と比べてみることで、その特異性をあぶり出してみようという試み。
こうしてヨーロッパの他言語と比べてみると、英語は簡略化が進んだ言語であることが明らかとなる。特に語形変化 (格変化) の省略は他の言語とは一線を画している。これは英語学習者としては嬉しい点ではあるが、一方でその行き過ぎた簡略化が表現の衝突を起こし、かえって複雑になってしまっている部分があるのも面白いところ。現在進行系や過去進行形などの複合時制、様々な未来表現、to不定詞と動名詞など、英語学習者がつまづきやすい点の多くがその英語の簡略化に起因している。
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