fukumoto

book

伊藤祐靖, 邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき

小説の体裁を取ってはいるが、実態はシミュレーションシナリオに近い。著者は海上自衛隊の特別警備隊の創設に関わり専任将隊長も務めた経歴の持ち主だけに、細部の書き込みひとつひとつが地に足がついている。有事の際の勇姿だけでなく、その裏にある政治や、彼らの退職後の事情までをも描いているのが素晴らしい。
book

山岡信一郎, 少しのコツで不正・ミスを賢くチェック! 「おかしな数字」をパッと見抜く会計術

「おかしな数字」とは会計上の不正や誤謬により生じた異常や誤りを一括りにした非常に広い概念。本書はこうした「おかしな数字」を発見するための経験則を集めたもの。明確な基準がないことも多い企業会計で「おかしな数字」を探すにはこうした経験則以上のものはないのだと思う。
book

西村賢太, 一私小説書きの日乗

本当にただの日記ではあるのだが、売淫や暴飲暴食をあけすけに書いているのが西村賢太らしい。その生活、特に酒量を見ると失礼ながら夭折やむなしと思えてくる。
book

謎解き×首都圏おでかけ ミステリーるるぶ 大自然満喫編

3冊目。続編は今のところ発売されていないようなので、ここで打ち止め。難易度はアドベンチャー編と歴史探訪編の中間といったところおそらく都心からのアクセスは一番時間がかかると思われる。時間に余裕を持って出発を季節的には春に訪れたほうが良い。今は少々季節外れで、見どころが制限される
book

スージー・ホッジ(著), 田中正之(日本語版監修), 5歳の子どもにできそうでできないアート コンテンポラリーアート現代美術100の読み解き

素人にはまったくその意味がわからない現代美術に少しでも触れてみようと解説書を手に取った。本書も一応それらしい解説が述べているものの、門外漢には本当にそうした意味なのか、後付けで理屈を付けているのか判断できない。表題に沿って、それぞれの作品に子どもではできない理由が述べられてはいるものの、"子どもには何々の要素を込めることはできない"、 "何々のように構成する子供はいない" 程度の主観的な解説しかない。本当に5歳の子どもの作品には同様の理屈がつけられないのか、現代美術の作品に理...
book

ブレイディみかこ, 子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から

英国の底辺託児所 (緊縮託児所) で働く著者によるドキュメンタリ。現場の視点は、外部のジャーナリストの著作とは一線を画している。英国の分断、下層英語を話す者への緩やかな差別、ダイヴァーシティの実態、ワーキングクラスの右傾化の背景、英国のDVの実態など、現場からしか見られない暗部がこれでもかと描かれている。おすすめ。
book

福地誠, ルポ マンション麻雀 バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態

よくnoteだけではなく書籍としても出版したな、というのが第一印象。マンション麻雀は劇画のネタにはなっているものの、活字の記録が週刊誌記事程度しか残っていない分野なので、その意味で貴重なルポタージュ。タイトルはマンション麻雀となっており実際に前半は2009-2014年頃のマンション麻雀事情を扱っているが、後半はその血を引き継ぐ歌舞伎町の高レート店の話。一応店名はぼかしているものの、見る人が見れば容易に特定できる。これらもいずれ歴史に埋もれていく存在かと思われるので、資料的な価...
book

謎解き×首都圏おでかけ ミステリーるるぶ 歴史探訪編

アドベンチャー編に続いて2冊目。アドベンチャー編と比べると謎の難易度はさらに控えめ。ボリュームも控えめ。同時発売の3種の中で評価が低めなのもそのせいかもしれない食事処が前半部分に集中しているので、そのつもりで日程を組むと良いかもしれない現地についてからの移動や各種入場料などでいくらかの費用がかかるのに注意
book

村越真, なぜ人は地図を回すのか 方向オンチの博物誌

著者は全日本オリエンテーリング選手権チャンピオンの経験もある研究者。方向オンチという身近な問題に、きちんとした学術的な裏付けを持って切り込む。方向感覚は多くの分野を跨ぐ問題であり、認知心理学を中心に、発達心理学、環境心理学、生物学、都市設計など、様々な方向からのアプローチが求められる。本書はそれらを広くカバーした啓蒙書で、地図の読み取りやナビゲーションが存外に複雑な問題であることを教えてくれる。
book

小倉博行, ラテン語のしくみ

ラテン語を学びたいというよりはラテン語とはどんなものかを概観したいという気分で読むと、細かな活用型の練習を延々とさせられるのに閉口する。それでも、ラテン語ならではの特徴の話題は楽しめる。