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岩堀修明, 図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ水中から陸上へ

久しぶりのブルーバックスは感覚器に着目した進化論。生物が海中から陸上へと移動する際に感覚器がどのように適応していったか、また地上から海中へと戻っていったクジラがどのように再適応を果たしたのかを豊富な図版で解説してくれる。こうして歴史を見てみると、行き当たりばったりを繰り返す進化にも関わらず、見事な適応を果たしているのには神秘を感じずにはいられない。
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黒川芳朱, パクリ学入門 ウェブ時代の創造力を鍛える36冊のブックガイド

パクリ (模倣) を軸に据えた書評集だが、寄せ集めた書評に対して無理にテーマを後付けした感が否めない。個別の書評も特筆すべき点はないが、いくつか興味深い本に出会えたのだけは救い。
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佐谷恭, ぱくぱく! パクチー

みんなで作るパクチー料理の前作にあたる本。レシピ本として見るとよくある料理にパクチーを加えただけの様なものが多く今ひとつではあるが、本来はパクチー布教本として読むべき本。溢れんばかりのパクチー愛にこちらも楽しくなる。
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大槻ケンヂ, サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

大槻ケンヂの自伝的なもの。これを読んでサブカルで食えるようになるかというと疑わしいが、エッセイとしてみれば良質。新書一冊で出た結論が、サブカルで食うのに必要なのは実家と月15万という身も蓋もない内容。素晴らしい。
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木暮太一, 僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?

マルクスの資本論をベースに、"自己内利益" を最大化する働き方を提案する。言われるまでもなく無意識にこういった働き方を選択している人も多そうではあるが、現在の働き方に疑問を感じている人は一読する価値があるかもしれない。
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小谷太郎, サイエンスジョーク 笑えたあなたは理系脳

"サイエンス" ジョークという表題が付いているが、実態は "物理学" ジョーク集。肝心のジョークが質・量共に不足しているのが残念ではあるが、解説は意外とまとも。
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福地誠, 麻雀 10倍勝てるテクニック

コンビニ売りの麻雀戦術本。データの裏付けのないオカルトな内容が主なので、話半分で。数少ないデータも独自のものではなくHAZの研究する人生やとつげき東北の著書から引用しているものなので (それも赤ご祝儀前提の質問に対して天鳳のデータをもって答える杜撰さ) 、それらを購読している人にはあまり新しい情報はない。
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岡田友輔, 蛭川皓平, 森嶋俊行, 高多薪吾, KY, 久保田市郎, 道作, 李啓充, 三宅博人, Student, SABERMETRICS MAGAZINE 1

オフシーズンの間の読むつもりが今頃になってしまった。2013年シーズンを控え、2012年シーズンをセイバーメトリクスで振り返る内容。旧統一球に依存した分析となってしまっているのはご愛嬌。研究の視点ではあまり新しい分析手法などは含まれていないが、ついにセイバーメトリクスを主題に据えた定期刊行物が生まれたというのは感慨深い。
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芝崎みゆき, 古代マヤ・アステカ不可思議大全

意外に馴染みのない古代マヤ・アステカ文明の絵解き本。イラストだけでなく本文も全て手書きの労作。専門の研究者の本にはないミーハーな視点が実に良い。神話の世界の登場人物をハリウッドスターと同じ感覚で語るのはこの本くらい。それでいて内容の充実っぷりは異常なほどで、再読にも十分に耐える品質。おすすめ。
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岡本隆史, 武田健太郎, 相良幸範, Gitポケットリファレンス

Gitのリファレンス本だが、ただのリファレンスに止まらず、実践的なbranchの切り方などの情報が豊富なのが嬉しい。リファレンスの各項も非常に実用的な内容で、よく遭遇するエラーがきちんと網羅されている。巻頭のチートシートも良い出来。Gitをこれから使い始めようという向きには間違いなくおすすめできる。