book 西村賢太, どうで死ぬ身の一踊り 西村賢太の小説を読むのは苦役列車に続いて2冊目。同じく私小説で、藤澤清造の全集刊行に向けて動いていた時期を切り取ったもの。著者の癇癪と家庭内暴力には私小説であることを思い起こしてうんざりするものの、それでも一気に読ませる力には凄まじいものがある。 2015-04-17 book
book 瀬谷ルミ子, 職業は武装解除 国連や様々なNGO/NPOで活躍されている著者の自伝。NPO/NGOと聞くだけで胡散臭さを感じる向きも多いと思うが、こちらはきちんと活動している方。本書では思想面はあまり深く触れないが、もう少し即物的な各種の団体の渡り歩き方やきっかけの作り方などは学べるところが多い。 2015-04-13 book
book 許成準, 超訳 孫子の兵法 孫子の兵法の解説本だが、かなり思い切った現代語訳を試みている。所々出てくる事例はややコジツケ感があるが、そこさえ目をつむれば悪くない。孫子の兵法のエッセンスはきちんと感じられる。 2015-04-10 book
comic ゾルゲ市蔵, 8bit年代記 各所で物議を醸している著者ではあるが、本書は比較的おとなしい部類か。ゲームの話から脱線する部分も多く、どちらかというと青春自伝マンガといった趣。 2015-04-08 comic
book 奥野幹也, 理論から学ぶデータベース実践入門 リレーショナルモデルによる効率的なSQL 著者は漢のコンピュータ道の中の人。世の中に数あるSQLの小手先の技術を解説しただけのデータベース本と異なり、リレーショナルモデルの本質の部分を攻めているのが見事。一見遠回りのように見えるが、これが本当の近道という気がする。 2015-04-03 book
book トーマス・トウェイツ(著), 村井理子(訳), ゼロからトースターを作ってみた この "ゼロから" は、自然の中にある材料から、という意味。鉄鉱石を精錬し、マイカ (雲母) を引き剥がし、銅を電解精錬し、とバカバカしくも見事な企画。何気なく使っている安価な家電製品が世界中の様々な工業的プロセスに依存していることに気付かせてくれる。著者はRoyal College of Artの学生で、卒業制作としてこのプロジェクトに取り組んだとのこと。学生故の準備不足や無計画さが目に付き、所々やむなく初心を曲げてしまっている個所もあるが、そういった細かい点を吹き飛ばすほ... 2015-04-02 book
comic 神奈川のりこ, ラーメン屋のヨメ ほのぼの系のラーメン屋切り盛り四コマ。特に盛り上がりがあるわけではないが安定した面白さ。合間のラーメン屋レポートもなかなか。 2015-03-31 comic
book 堀内正人, 麻雀麒麟児の一打 鉄鳴き コンビニの500円本だが、堀内正人の著書だけあり、内容はかなりまとも。ただし、後に出版された神速の麻雀の方がデータも豊富でよくまとまっているので、今から読む人はそちらがおすすめ。表題通り鳴きに絞った一冊。今までの麻雀戦略本では門前に比べて軽視されていた鳴きに切り込んだのは新鮮。例題も単純な鳴く鳴かないだけではなく、将来の鳴きを見据えた手り作りを考えており実践的な内容。 2015-03-28 book
book グレゴリー・クラーク(著), 久保恵美子(訳), 10万年の世界経済史 (上) (下) 日本語版の表題は "10万年の世界経済史" となっているが、10万年というbig historyよりも、産業革命の背景やその影響が主題。原著の表題の "A Farewell to Alms" の方が著者のメッセージを正しく伝えているように感じる。ダジャレだが。上巻はマルサスの罠による産業革命以前の停滞が中心。世界各国の人口、出生率、死亡率、生活水準、技術水準、実質賃金の豊富な推移データを元に、短期的な所得の増大が常に人口の増大によって打ち消されてきたことを示す。下巻では、なぜ... 2015-03-24 book