book 晴山陽一, 英語ベストセラー本の研究 戦後60年間分の英語ベストセラー本を時系列順に追ったもの。この英語学習本という視点が実に素晴らしく、単に英語学習法の流行り廃りが見えてくるだけではなく、日本人にとって英語とは何であるかという位置付けの移り変わりまでもが見えてくる。 2009-10-29 book
book 麻耶雄嵩, 鴉 麻耶雄嵩の本を読むのは初めて。ちょっとクセのある登場人物の名前など少し読みにくい箇所はあるが、文庫500頁超を一気に読ませるだけの魅力はある。地図にない閉じた村という設定の非日常性にはやはり引き込まれる。その舞台装置を駆使したトリックはカタルシスも十分。 2009-10-24 book
book ジェフリー・スタインガーテン(著), 柴田京子(訳), すべてを食べつくした男 米VOGUE誌のフードコラムをまとめたもの。ヴィーグン生活を試してみたり、あらゆる種類のケチャップを食べ比べたり、様々なフライド・ポテトを試作してみたり、ウェイターの学校に通ってみたりと、とにかく何でも自分の手を動かしてやってみるという姿勢が素晴らしい。食に興味のある人はぜひ。 2009-10-22 book
book 柴野京子, 書棚と平台 出版流通というメディア 現在の日本の出版流通がどのように成長してきたのかが学術的に検証されている。雑誌や教科書に始まるメインストリームはもちろん、赤本の歴史や書店の "読書空間" の変遷まで、出版流通史の大きな流れが俯瞰できるようになっている。本好きの人間ならば一度は必ず目を通すべき本。おすすめ。 2009-10-20 book
book 内藤朝雄, いじめの構造 なぜ人が怪物になるのか いじめを一つの社会的メカニズムから生じる普遍的な現象として捉えた分析。いわゆる "近頃の青少年" 型の精神論とは一線を画している。いじめという現象の分析を踏まえた上での、新たな教育制度案も興味深い。学校の法化や学級制度の禁止といった案は、抵抗勢力は多そうなものの、単純な実施コストという点では実現可能な範疇でありかつ効果的に思える。 2009-10-10 book
product 野口悠紀雄(監修), 「超」整理手帳2010(黒) 今年も例年通り「超」整理手帳を購入。今年はやなどいくつかバリエーションが増えたようだが、店頭で悩んだ末に例年通りのものを購入。手帳は毎日使うものだけに馴染んだところで来年は発売されないというのが怖いので、定番商品となるようならばもう一度乗り換えを検討しよう。今年のバージョンは手帳ホルダの表面処理が変わって、少し皮っぽくなった。それは良いのだが、昨年版まで片隅についていた向き識別用のマークがなくなったのが微妙に不便。手帳ホルダ以外の内容物は代わり映えなし。 2009-10-06 product
book 内田百けん, 第一阿房列車 なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思うの出だしで有名な旅行記。特に目的のないユルい旅に、内田先生とそのお供であるヒマラヤ山系のトボケた掛け合いと、脱力しながらもクスクスと楽しめる。 2009-09-19 book
book 中村秀樹, これが潜水艦だ 海上自衛隊の最強兵器の本質と現実 さすが元海自の潜水艦長が書いただけあり、潜水艦の存在意義からその実体まで良く押さえられている。所々、身贔屓が過ぎる所や自衛隊批判が鼻につくが、これも愛の鞭だろう。潜水艦の入門書としては間違いなくおすすめできる。 2009-09-11 book