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コンビニ加盟店ユニオン, 北健一, コンビニオーナーになってはいけない 便利さの裏側に隠された不都合な真実

コンビニの告発本。コンビニ全般ではなくセブン‐イレブンに偏っており、ファミリーマートの事例が少々ある程度。また、加盟店オーナー側の主張がほとんどで、フランチャイズ側の言い分はほぼなし。それでも、具体的な事例が多数掲載されており、告発本としての意義は果たしている。いわゆるコンビ会計などのよく知られた問題に加え、加盟店の財務諸表で本来買掛になるべき部分を与信として金利を発生させているという問題に踏み込んでいるのは興味深い。
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高橋名人, 公式16連射ブック 高橋名人のゲームは1日1時間

高橋名人の自伝。名人がハドソンに入社してからスター街道を駆け上がるまでが本人の手で綴られる。どれも誠実な語り口で、名人の人柄が伺える。シュウォッチ、キャラバン、Bugってハニーといった、名人の深く関わった流行の裏話も盛りだくさんで、当時を知る年代にはただただ懐かしい。カラーページには名人の思い出の品も多数収録されており、完全保存版と言える内容。
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堤未果, (株)貧困大国アメリカ

ルポ 貧困大国アメリカ IIに続いてもう一冊。シリーズ完結編で、貧困を生み出す巨大企業と政府の癒着を見事に描ききっている。大企業に絡め取られる農場経営、GM種子による食の支配、切り売りされる公共サービス。どれも現在のアメリカを理解する上で欠かせないものばかり。特に公共サービスの崩壊については、民間企業が運営する自治体Public Private Partner (PPP) の動向も取り上げられており興味深い。
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堤未果, ルポ 貧困大国アメリカ II

ルポ 貧困大国アメリカの続編。今回は、学資ローンによる借金地獄、社会保証の崩壊による高齢者の転落、借金漬けにされる囚人たちなどが新たに取り上げられる。前巻に引き続き、医療改革が一向に進まない理由についても語られる。どれも近い将来に日本が同じ道を辿りかねないものである。
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田中慎弥, 孤独論 逃げよ、生きよ

15年間の引きこもり生活の後に小説家としてデビューした著者が、その間に向き合っていた孤独を論じる。外圧による思考停止 (これを著者は奴隷状態と呼んでいる) に陥らないため、意識的にいまいる場所から逃げ、冷静な頭で能動的に将来のことを考えることが必要。この過程で、孤独と向き合い、不安に耐え、思考を強化することは避けられない。
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7 Billion Humans

Human Resource Machineの続編。7 Billion Humansをプレイ。大枠は前作を踏襲しているが、最大の違いはavatarが複数になったこと。簡易的ながらも分散プログラミングが楽しめる。tell/listen命令により、プロセス間でメッセージまで送れる。とはいえ書くプログラムは一本だけなので、各avatarに異なる処理をさせたい場合は貧弱な命令を駆使して状況により処理を分ける工夫が必要となる。ここが腕の見せ所。前作同様、自力で完全クリアはかなり難易度が...
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「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2020

今年も例年通りスケジュールシートを更新。昨年に引き続きKADOKAWA版。特に仕様の変更はなし。
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九井諒子, ダンジョン飯 (8)

前巻まで少しシリアスな展開が続いていたが、チェンジリングのおかげで少し場がなごんだ。ユーモアあふれる料理も復活。
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田村正之, しぶとい分散投資術 世界金融危機でわかった!

資産の分散、購入時期の分散、長期、低コストという投資の大原則は、金融危機にも強いという、当たり前といえば当たり前の話。これらの大原則は退屈なだけに守り続けるのは難しいものだが、今一度その有効性を再確認させてくれる。資産の分散という意味では、日本株、国内債券、外国株、外国債券の4資産で定期的にもしくは乖離度合いが大きくなったときにリバランスする手法が効果的であることが示されている。
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H坂, 竹書房で一番麻雀が強い男が明かすセット麻雀必勝法

最近の麻雀本はガチ戦術本ばかりなので、こういった柔らかめのタイトルをみるとホッとする。行きつけの雀荘のガン牌の写真を撮って記憶する、相手の傷キズを記録する、強い人は誘わない、など、セコいと言えばセコいが実践的なテクニックが盛りだくさん。