review

book

廣末登, ヤクザになる理由

犯罪社会学者による、元暴力団組員たちへのインタビュー。 機能不全家庭や交友関係が暴力団加入につながっているという仮説ありきでインタビューを行っているように見える点や環境とその他の要因 (遺伝等) が切り分けられていない点は気になるが、インタビューの内容自体は迫力がある。
game

大逆転裁判2 成歩堂龍ノ介の覺悟

大逆転裁判の続編。大逆転裁判2 成歩堂龍ノ介の覺悟。 前作で残された謎はきれいに回収された。それだけに、前作をプレイしていないと十分に楽しめないかもしれない少々オーバーテクノロジーによるご都合主義が過ぎるのはご愛嬌特に新システムなどはなし。やはり最初から前後編で発売すれば良かったのではないか
book

加谷珪一, お金は「歴史」で儲けなさい

お金の歴史を学ぶことで、より高い確度で儲けていけるという主張。 日本株130年の超長期チャートは新鮮。米国では長期の分析があるが、日本株の分析は珍しい。著者によるとこの130年間は年間平均7%の株価上昇を記録しており (配当金の扱いやインフレ補正の詳細は不明)、米国からは劣後する。日本企業に投資するならば米国の市場拡大の恩恵を受けられる企業を選ぶべき。 ハイパーインフレの歴史も興味深い。ドイツのハイパーインフレでは、為替、金、物価、不動産、株価の順で価格が上昇した。株価は案外...
book

堀江貴文, 儲け方入門 100億稼ぐ思考法

見開き2ページを一項目として要点のみを書くスタイルは実に堀江貴文らしい。初めて氏の著作を読む方にはもう少し補足が必要だと思うが、背景がわかっている人にはこれで必要十分だろう。 ビジネスのヒントも惜しみなく公開されている。その中で、 利益率が高くて元手がかからないことをやる というのは他の多くの起業家たちの意見と共通している。例えば、プッシュカートビジネスが勧められているのと本質は同じ。
book

岩田一平, 珍説・奇説の邪馬台国

邪馬台国の解説書だが、大和説や九州説などのメジャーどころだけではなく、いわゆるトンデモ説も真面目に解説しているのが売り。それも単に文献を漁るだけではなく、提唱者本人へのインタビューを多数実施している労作。ジャワ島説、新潟説など一見荒唐無稽な説も提唱者本人は大真面目で、どれも一理はあることがよく分かる。
book

川村元気, 億男

小説仕立ての自己啓発マネー本。2014年に映画化もされている。 お金との付き合い方や幸せな人生を考えるヒントが散りばめられている。充分なお金を得ることで欲が奪われてしまう気持ちは良く理解できる。
book

ひろゆき, 無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

ひろゆきらしい飄々とした生き方の指南書。 表題にもなっている "無敵" とは、自分の軸で幸せを感じられるということ。その意味で、ただの消費者よりもモノづくりをする人は "無敵" になりやすいという考えは納得できる。
book

我孫子武丸, 0の殺人

先日に続き、もう一冊我孫子武丸。 何を書いてもネタバレになりそうなので書かないが、ミステリとしての完成度はこちらの方が高め。前作でも垣間見えていた作者のユーモアが円熟してきているのが感じられるのも良い。
book

我孫子武丸, 8の殺人

我孫子武丸のデビュー作を今更ながら。 正統派な本格ミステリ。8の字型の館やその平面図、作中で語られるミステリ談義など、まさに本格ミステリたらんとしていることが伝わってくる。
book

おおたとしまさ, 受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実

受験をテーマにしているが、小手先の受験テクニックではなく、もう少し広い視点で現代の教育や学力を扱っている。最難関校以外も含めて、進学の選択肢が一望できるのも良い。 思考コードなどの新しい学力の評価軸や、それを踏まえた大学入試改革が掴めるのもポイント。