review

book

ナンシー関, ザ・ベリー・ベスト・オブ「ナンシー関の小耳にはさもう」100

もはや伝説とも言える週刊朝日のコラムのよりぬき版。 もちろん取り上げられている芸能人は少し古いのだが、その彗眼を改めて確認できる。
book

西村賢太, どうで死ぬ身の一踊り

西村賢太の小説を読むのは苦役列車に続いて2冊目。同じく私小説で、藤澤清造の全集刊行に向けて動いていた時期を切り取ったもの。 著者の癇癪と家庭内暴力には私小説であることを思い起こしてうんざりするものの、それでも一気に読ませる力には凄まじいものがある。
book

瀬谷ルミ子, 職業は武装解除

国連や様々なNGO/NPOで活躍されている著者の自伝。NPO/NGOと聞くだけで胡散臭さを感じる向きも多いと思うが、こちらはきちんと活動している方。 本書では思想面はあまり深く触れないが、もう少し即物的な各種の団体の渡り歩き方やきっかけの作り方などは学べるところが多い。
book

許成準, 超訳 孫子の兵法

孫子の兵法の解説本だが、かなり思い切った現代語訳を試みている。 所々出てくる事例はややコジツケ感があるが、そこさえ目をつむれば悪くない。孫子の兵法のエッセンスはきちんと感じられる。
comic

ゾルゲ市蔵, 8bit年代記

各所で物議を醸している著者ではあるが、本書は比較的おとなしい部類か。 ゲームの話から脱線する部分も多く、どちらかというと青春自伝マンガといった趣。
book

奥野幹也, 理論から学ぶデータベース実践入門 リレーショナルモデルによる効率的なSQL

著者は漢のコンピュータ道の中の人。 世の中に数あるSQLの小手先の技術を解説しただけのデータベース本と異なり、リレーショナルモデルの本質の部分を攻めているのが見事。一見遠回りのように見えるが、これが本当の近道という気がする。
book

トーマス・トウェイツ(著), 村井理子(訳), ゼロからトースターを作ってみた

この "ゼロから" は、自然の中にある材料から、という意味。鉄鉱石を精錬し、マイカ (雲母) を引き剥がし、銅を電解精錬し、とバカバカしくも見事な企画。何気なく使っている安価な家電製品が世界中の様々な工業的プロセスに依存していることに気付かせてくれる。 著者はRoyal College of Artの学生で、卒業制作としてこのプロジェクトに取り組んだとのこと。学生故の準備不足や無計画さが目に付き、所々やむなく初心を曲げてしまっている個所もあるが、そういった細かい点を吹き飛ばす...
comic

神奈川のりこ, ラーメン屋のヨメ

ほのぼの系のラーメン屋切り盛り四コマ。 特に盛り上がりがあるわけではないが安定した面白さ。合間のラーメン屋レポートもなかなか。
comic

鳴見なる, ラーメン大好き小泉さん (1)

今風の食マンガに萌えを加えて一ひねり。 ラーメンの蘊蓄などは控え目なので、絵を楽しむマンガかもしれない。
book

堀内正人, 麻雀麒麟児の一打 鉄鳴き

コンビニの500円本だが、堀内正人の著書だけあり、内容はかなりまとも。ただし、後に出版された神速の麻雀の方がデータも豊富でよくまとまっているので、今から読む人はそちらがおすすめ。 表題通り鳴きに絞った一冊。今までの麻雀戦略本では門前に比べて軽視されていた鳴きに切り込んだのは新鮮。例題も単純な鳴く鳴かないだけではなく、将来の鳴きを見据えた手り作りを考えており実践的な内容。