book 村上世彰, 西原理恵子, 生涯投資家vs生涯漫画家 世界で一番カンタンな投資とお金の話 西原理恵子が村上先生への聞き手となった投資入門書。村上世彰は生涯投資家の頃からはだいぶ毒気が抜けた印象を受ける。西原理恵子の質問力はやはり大したもので、ただの雑談に見せかけながらきちんと投資の本質を突くツッコミが見事。 2020-04-26 book
book 杉山智一, プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 海外のプライベートバンクを利用した実例として、著者の名前を冠した "スギヤマスペシャル" が紹介されているが、これはレバレッジをかけて高利回りの生命保険に加入するというもの。当然、レバレッジをかけるためのコストがかかるわけだが、その部分をこちらもレバレッジをかけたハイイールド債で賄う。為替リスク、保険会社の信用リスク、ハイイールド債の価格変動リスク (金利リスク) など考えられる限りの様々なリスクを取り込んだ上でレバレッジをかけるというなかなか挑戦的な仕組みと感じる。 2020-04-05 book
book タカ大丸, 貧困脱出マニュアル 問題のある家庭から翻訳者・通訳者としての地位を確立した著者が語る貧困脱出の方法。おすすめの職業として競輪・競艇や相撲を挙げているのは突飛に感じるが、参入障壁が低く収入が高いスポーツというとこのあたりになるのだろう。二世が比較的多い点もそれを裏付けている。 2020-03-30 book
book 朝日新聞取材班, 負動産時代 マイナス価格となる家と土地 人口減少・高齢化の中で必然的に発生する家余りにスポットを当てたドキュメンタリ。負動産に関する諸問題がコンパクトに詰め込まれた良書。登記制度の問題から相続人が増え続けて身動きが取れなくなった不動産の実例を皮切りに、バブル期に乱造されたリゾートマンション、需要を大きく超えた建築ラッシュを生んだサブリースアパートなど、様々な不動産問題を扱う。それを面白おかしく取り上げるだけではなく、登記制度、不正確な公図、対策特別措置の限界など、それらの問題を生み出す構図にも踏み込んでいる。さらに... 2020-03-28 book
book 猫組長, 西原理恵子, 猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 元経済ヤクザによる経済コラム。西原理恵子のマンガは巻頭のみ。すぐに活用できるようなネタは多くないが、読み物や話のネタとしては満点。その中で、HSBC等の海外口座開設の審査の通し方は数少ない実用的な内容。 2020-03-22 book
book 青木雄二, ゼニの幸福論 マルクス主義者の著者らしく、マルクスの "働くものは儲けず、儲けるものは働かない" という言葉を引き合いに出し、人間、遊んで暮らすのが最高の幸福である。という実感を語る。この自然な感情は否定できない。とはいえ、労働の尊さが否定されるものではなく、"人に請われて仕事をすること" もまた幸福を感じるものだ。現在の生活が幸福かを判定する方法として、エンゲル係数を改良した青木係数を提案している。これは食費と住宅費が消費支出に占める割合を算出したもので、五割を超えているようであれば貧乏... 2020-03-03 book
book トマス・J・スタンリー(著), 広瀬順弘(訳), 橘玲(序文寄稿), 1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました となりの億万長者の続編。それ以上資産が増えても幸福度が上がらない1億円 (100万ドル) をお金持ちの基準とし、それ以上の純資産を持つお金持ちの調査結果をまとめている。お金持ちは自身が経済的に成功した要因として、誠実、自己鍛錬、社会性、配偶者の支え、勤勉を挙げている。運の要素を挙げている人は少ない。対照群との比較がないのとsocial desirability biasを考慮していないように見える点が疑問ではあるが、世間一般のイメージとは異なる興味深い結果と言える。お金持ちの... 2020-03-01 book
book 荒井拓也, バフェット・コード ウォーレン・バフェットの過去の投資行動の分析からその思考を探る試み。他のバフェット本でも繰り返されている内容ではあるが、ビジネスの根源的価値が継続的に成長する企業を割安に買うという基本を忠実に守ってきたことが様々な例からも裏付けられている。 2020-01-28 book
book 山崎元, 大橋弘祐, 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください! 先生 (山崎元) と生徒 (大橋弘祐) による対話形式のマネー入門書。初心者にとって本当に必要な内容が厳選されており、説明も必要十分。一冊目のマネー本として間違いなくおすすめできる。 2020-01-18 book
book メアリー・バフェット(著), デビッド・クラーク(著), 峯村利哉(訳), 史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール 著者はウォーレン・バフェットの義娘。ウォーレン・バフェットが財務諸表のどこを重視していたかが語られる。よく知られている通りウォーレン・バフェットは永続的な競争優位性 (特に "永続的" という部分が重要) を重視しているが、それを見極めるための方法も多岐にわたる。粗利益率は、永続的な競争優位性を持っているか、もしくは競争の激烈な業界に属しているかを教えてくれる。40%を超えている企業は何らかの永続的競争優位性を持っている可能性が高い。売上高に占める純利益の割合も、永続的競争優... 2019-12-29 book