sociology

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三品和広, どうする? 日本企業

日本企業の衰退の原因を6つの視点から探る。売上高の成長を追い求めたために生じた利益率の低下、コンフォーマンス・クオリティを追い求めたために生じたパフォーマンス・クオリティの低下など、ある面での成功が他の成功を奪ってしまう事例は実に刺激的。
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西内啓, 統計学が最強の学問である

ビッグデータ時代に乗った統計学賛美本。前半の統計学を俯瞰した部分は読み物として上出来。このあたりは専門外の人にも楽しめる内容。後半は少々専門的な話になるので素養がある人向けか。一度統計学を学んだ人が、統計学の全体像を整理し直すには良い内容。
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渡邉正裕, これが本当のマスコミだ 社員が教える企業ミシュラン

マスコミ各社の企業情報を、従業員の立場で評価したもの。週刊誌的に読むのなら面白いが、真偽が不明な情報や憶測と思われる内容も多いので話半分で。2005年の出版のため、現在では少し古くなっている点も注意。
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太田さとし, 内部告発マニュアル

非常に実践的な内部告発指南本。無闇に内部告発を煽るのではなく、きちんとリスクを考慮した上での最終手段として位置付けているのは良心的か。内部告発以外の職場環境改善の手段も各種論じられているので、内部告発など考えてもいないが少しでも改善できれば、という向きにもおすすめできる。
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清永賢二, 清永奈穂, 犯罪者はどこに目をつけているか

元警視庁犯罪予防研究室長の肩書きを持つ著者による犯罪予防論。何と言っても見どころは経験豊富な犯罪者による解説。彼らがどのような視点でターゲットを選定し、計画を立てるのか、また何を嫌うのかは非常に興味深い。
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ジョージ・ソーンダーズ(著), 岸本佐知子(訳), 短くて恐ろしいフィルの時代

奇妙な童話風の物語として始まるが、その裏はどろどろしたものが詰まっている。普通の人間がちょっとしたきっかけで簡単に独裁者となってしまう様子が見事に描かれている。内容も良いが、翻訳も装丁も水準以上。
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中村敏雄, スポーツルールの社会学

中村敏雄によるスポーツ論考集。専門としているスポーツルールを表題として掲げているが、内容は近代スポーツにおける人工化やそれに伴う場外も含めた平等を中心に論じている。近代スポーツの創出そのものを人工化の過程とみなし、その行き過ぎを危惧する提言は、まさに現在の状況を言い当てている。おすすめ。
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山岸俊男, 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

よくある日本人論に対する疑問と社会心理学の視点からの回答。数々の実験結果を通じて、日本人が本質的には集団主義者などではなく、一見集団主義的に見える行動も閉鎖的な安心社会という環境に適応しただけに過ぎないことを明らかにする。雰囲気だけで科学亭な根拠に欠けるの武士道礼賛に対するチクリとした批判も良い。
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いがらしみきお(作画), 山上たつひこ(原作), 羊の木 (1)

あまりに豪華な組み合わせに惹かれて読み始めたが、これが大当たり。出所者に対して一般市民が抱く漠然とした不安感をこれでもかと繰り返す構成に完全に引き込まれてしまう。
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筒井哲也, 予告犯 (1)

現代社会の鬱屈としたところをテーマに切り出した作品。ネットや犯罪に関する細かな描写の正確さが見事なリアリティを生んでいる。その分風化が早そうなのが心配ではあるけれど。小難しいことを抜きにして、エンターテイメントとしてみても非常に上質。おすすめ。