sociology

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深見填, こどものためのドラッグ大全

子供向けの体ではあるが、基礎知識がない大人が読んでも勉強になる本だと思う。内容は存外にしっかりしており、トンデモ度は低い。身体依存、精神依存、中毒を正しく使い分けている点や、タバコやアルコールをドラッグとして扱っている点など、誠実さを感じる。
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石原伸司, 歌舞伎町のシャブ女王 覚醒剤に堕ちたアスカの青春

夜回り組長こと石原伸司による、とある覚醒剤中毒者のドキュメンタリー。その半生は、週刊誌的な興味をそそるものであり、一気に読んでしまう。著者の手により見事更生していればきれいなストーリーだったのだが、そう簡単にいかないところに、薬物中毒の難しさを感じる。
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サイモン・シン(著), 青木薫(訳), 数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち

サイモン・シンの著作はすべて読んでいるが、まさかここでザ・シンプソンズを取り上げてくるとは思いもしなかった。それでも読み進めてみると、決して変化球ではなく、サイモン・シンが本気で取り組むだけのテーマであることがよく分かる。ザ・シンプソンズに散りばめられた分かる人にだけ分かればよい数学ネタを解説するというある意味無粋な試みではあるのだが、その解説自体をエンターテイメントとして成立させている筆力はさすが。おすすめ。
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中原みすず, 初恋

とあるblogの記事で気になって読んでみた。お話ではあるのだけれど、もしかしたらと一瞬でも実話を思わせる力はある。
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三宮貞雄, コンビニ店長の残酷日記

コンビニのフランチャイズ店のオーナー店長の日記。コンビニのフランチャイズ経営の問題について調べたことがある人ならばあまり新しい情報はないかもしれない。コンビニ会計の問題も取り上げているものの、踏み込みが浅め。それでも、当事者視点での迫力は感じられるため、読んで損はない。
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橘玲, 「リベラル」がうさんくさいのには理由がある

日本の「リベラル」の失敗してきた過程を辿り、世界標準のリベラリズムへ近づけるための提言を行っている。沖縄集団自決裁判から、集団的自衛権、テロと宗教など、幅広い実例を持ち出してのリベラルの振り返りは興味深い。
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草下シンヤ, 実録ドラッグ・リポート

元ジャンキーな作家によるドラッグ体験エッセイ。どこまで盛っているのかはわからないが、ジャーナリストが取材しただけでは書けなそうなネタが多数。
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新庄耕, ニューカルマ

狭小邸宅が良かったのでこちらも。今回のテーマは、ルポは多数あるものの小説としては珍しいネットワークビジネス。追い込まれた勤め人の揺れる感情の切り取り方は実に巧み。
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岡崎洋三, 日本語とテンの打ち方

学校の作文教育ではきちんと教えられないテンの打ち方を一冊丸ごと。著者なりの体系立った打ち方の理論があるわけではなく、様々な例文を持ち出してきては都度解説をするスタイル。例文はやや新聞贔屓が過ぎるか。本書中に著者の経歴が書かれていないので想像に過ぎないが、新聞出身かもしれない。
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山田英夫, ビジネス版 悪魔の辞典

のビジネス版というか日本の大企業版。パロディながらもその質は高く、その環境に身をおいてこそ笑えるネタが満載。