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ハマザキカク, ベスト珍書 このヘンな本がすごい!

ここでの珍書とはいわゆる稀覯本の類とは少々異なり、著者自身が「これは!」と感じた本のこと。著者は社会評論社勤務ということもあり、視点はどうしても出版人寄り。写真集から語学書、医学書までずらりと100冊が並んでおり、きっと一冊くらいは気になる本が見つかるだろう。私は本書を読みながら3冊ほど注文してしまったので、十分に元が取れた。
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動物事件研究委員会(編著), ぼくはこうして動物に襲われた あんなに優しい目をしていたのに

一見危険に見えないが実は危険な動物をテーマにした企画本。動物園でおなじみの動物たちから、イルカやアシカといった水族館の人気者まで、幅広い動物が取り上げられている。いずれも危険なイメージがあまりない動物たちだが、実際に人間が襲われた実例を見ると野生で生き延びてきた動物には必ず恐ろしい一面があることを思い知らされる。子供向けの装丁だが、大人が読んでも十分に楽しめる。
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逢阪まさよし+DEEP案内編集部, 「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街

東京DEEP案内の書籍版。もともと毒の強いサイトではあるが、さらに "住みたくない街" というキーワードで絞り込んだ内容となっている。巻頭の "住みたくない街" の見分け方は実践的な内容。駅前にあるものや駅周辺を歩いて得られる情報が、危険なサインを出していることも多い。首都圏の主要な街をほぼ網羅しているので、自分の住んでいる街や住んだことがある街の記事を眺めるのも一興。巻末の索引が充実しているのも嬉しい。
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吉田勝次, 洞窟ばか

タイトルの "洞窟ばか" がすべてを表している。洞窟に魅入られてその人生を洞窟に捧げてしまった人間の自伝。洞窟と言われてもピンとこない人が大半だろうが (もちろん自分もそうだった)、そんな人もグイグイ洞窟に引き込むパワーのある本。巻頭の写真の美しさも特筆モノ。
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押切蓮介, ハイスコアガール (10)

ついに完結してしまった。紆余曲折あった連載だが、最後はきちんとキレイに締めてくれた。ベタと言えばベタな展開だし、最後はゲームよりもラブコメ中心だったが、ハッピーエンドでまとめててくれたのは素直に嬉しい (日高のフォローだけは欲しいところだったが)。
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丸山ゴンザレス, 世界の危険思想 悪いやつらの頭の中

殺人犯やドラッグユーザー、武器商人など、一般的な日本人とは異なった常識を持つ人々へのインタビュー集。労作という範疇を超えて大きなリスクをとった著作。彼らの思想は簡単に理解できるものではないが、彼らなりの理屈があり筋があることはわかる。これらを拒絶してしまうことは簡単だが、その思想に正面から向かい合うことで世界を少し広げることができる。
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服部昇大, 邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん (1) (2) (3)

美ー子ちゃんに続き、作者の偏愛をそのままマンガにぶつけた作品。数々の邦画を笑いのネタにしながらも、根底にある愛のせいか嫌な印象はまったくない。取り上げられる作品はどれも筋金入りのマイナー作品なので、Netflixなどでお手軽に観られない作品も多い。愛が試されている。
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ゆうきまさみ, 究極超人あ~る (10)

完結後もスピリッツなどで散発的に描かれていた続編をまとめたもの。9巻からそのまま続けて読んでも違和感がないノリはお見事。10巻を名乗るのならば、装丁は少年サンデーコミックス版に合わせて欲しかった。ここだけが残念。
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シン・ゴジラ

Amazon Prime Videoで視聴。 ピエール瀧の影響はなく、出演シーンのカットなどもなし。 前評判通りの面白さ。早口に繰り出される洪水のような情報量に圧倒されっぱなしであったが、気がつけばグイグイと引き込まれていた。日本の官僚組織をハイコンテクストのまま描ききったのも潔い。もちろん、庵野監督らしく怪獣映画としての面白さも忘れていない。画になるシーンがこれでもかと詰め込まれている。
comic

押切蓮介, ハイスコアガール (9)

ゲームよりもラブコメ重視の巻。物語の終わりが見えてきて少々悲しい。