小室先生と大越先生の共著となっていますが、実質的には小室先生が講義をするスタイルですすめられます。小室ファンにも安心です 🙂
まずは、現在の日本の教育の現状が小室先生の他の著作でも頻繁に登場するアノミー (無連帯) の概念を使って説明され、学校教育で行動規範を教えない点が最大の問題であることを看破しています。その後、多くの偉人を生んだ吉田松陰の教育を例に挙げ、日本の教育の在り方について語られています。
他の小室本と同様、教育という難解なテーマにもかかわらず平易な文章で語られた良書なのですが、欲を言うならば吉田松陰自身の生涯についてはもう少し網羅的に触れられる部分があっても良かったと思います。講義中では、断片的なイベントが語られるのみなので、吉田松陰の伝記については別途調べながら読んだ方が理解が深まるかと思います (fukumotoもネット上で調べながら読んでいました) 。
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