藤原明, 日本の偽書

上記、竹内文献、東日流外三郡誌、秀真伝といった有名な偽書がどの様なプロセスで人々を魅了するに至ったのか。と学会の様におもしろおかしく紹介するわけでもなく、また少数の有名偽書を深く掘り下げる形式なので、正直言って骨太すぎるところもある。

しかしながら、捏造が行われるプロセスとして “言説のキャッチボール” を重視しているのは興味深い。これは、捏造者が他の専門家 (捏造に携わっている自覚なし) との対話で得られた情報を取り込み、出土品を “創造” するということ。類例としては、(偽書ではないが) 上高森遺跡の捏造があげられる。藤森氏は東北旧石器文化研究所の理事長である鎌田氏の見解を取り込んだ形で捏造を行った形跡もあるとか。

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