イアン・エアーズ, 山形浩生, その数学が戦略を決める

データマイニングを元にした “絶対計算” が現在どのように使われているのかという事例が多数。ワインの値段の予測に始まり、野球選手の評価、病気の診断、教育手法毎の効果測定、映画のヒット予測、などなど。多くの分野で専門家を凌ぐ絶対計算が可能であることが次々と示されるのは実に爽快。

しかしながら、これらを実際に活用するには大きな壁があることも事実だろう。本書中の以下の文章がそれを端的に表している。

人々は自分の専門領域以外でなら絶対計算利用に抵抗がない

また、すでにあるデータの分析にとどまらず、データを集めるための手法にも触れられている。特に、webサイトで提供されるサービスにおいて、いかに簡単にかつ大量に無作為抽出テストが可能であるかは実に興味深い。

全体としてあまり技術的な詳細には踏み込んでいないので、専門家以外にも楽しく読めると思う。おすすめ。

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