ネイサン・レンツ(著), 久保美代子(訳), 人体、なんでそうなった? 余分な骨、使えない遺伝子、あえて危険を冒す脳

人体の設計の素晴らしさを綴った本は多数あるが、その人体のイマイチなところに焦点を絞ったのが本書のミソ。原著のHuman Errorsという表題もニクい。

非効率な光受容細胞の向きや盲点、遠回りする反回神経、椎間板ヘルニアを引き起こす脊柱の構造などの有名な問題はもちろんのこと、頻繁な風邪の原因である副鼻腔、ビタミンCやカルシウムが不足しがちな理由といった比較的知られていない問題も広く取り上げられている。後半では最近の脳科学の成果により明らかになった人間の錯覚や錯誤も取り上げられている。

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