日本の教育の「攻略本」。いわゆるお受験は対象外で、中学受験を経て中高一貫校から大学に進学するか、高校受験を勝ち抜いて進学校から大学に進学するかの比較が主題。日本で育つ大多数の子供はこの二択をすることになるので、親としてももっとも関心があるところだろう。
結論から言うと、ほとんどの家庭では公立中高から良い大学を目指すのがコストパフォーマンスの面からは最適になる。中学受験の費用を高校受験のための塾や大学受験のための予備校、短期留学に回したほうが効率が良い。中学受験は1,000万円程度の教育費を余分に出せる家庭が考えるべきものだ。統計的に見ると、私立中高一貫校は公立に比べて偏差値を3上げられる (大学がワンランク上がる) かもしれないという程度に過ぎない。
中学受験をする場合は大手塾に頼るのが現実的な選択肢だろう。塾なしでの合格は不可能ではないが、労力を考えるとコストパフォーマンスが良くない。特に中学受験算数は算数とも数学とも異なる知的パズルなので、数学が得意だっただけの両親が教えられるものではない。また、塾の選択では最難関校を狙う場合はそのための塾を選ぶ必要があるが、それを除けば大差はなく自宅近くの塾を選ぶのが良いだろう。
大学 (学部) で無理に留学をする必要はかなり薄い。特に理工系は習得する専門知識が世界共通なので、多額の税金が投入されている分学費が安い日本の大学はコストパフォーマンスに優れる。グローバルに活躍したい学生は奨学金をもらって海外の大学院に進学するのが良いだろう。
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