出自ではなく個人の能力や業績により人生が決まるメリトクラシーな社会の構造を解き明かすのが本書の大きなテーマ。しかし、その正体が明らかになるにつれ、多くの人にとって攻略不能な “無理ゲー” であることも明らかとなってしまう。特に現代社会では生まれ持った知能が否応なしに格差を生み出してしまうが、身分制社会のように生まれのせいにすることも許されず、同じゲームに参加することが強制される。この “無理ゲー” による格差の拡大を食い止めるのは、戦争や革命、統治の崩壊、疫病などによる社会のリセットしかないのだろう。
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