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八田達夫(編), 都心回帰の経済学 集積の利益の実証分析

“国土の均衡ある発展” を標榜して制定された工場三法を批判的に検証する研究本。他の要因を捨象して分散の弊害のみに不況の原因を求めるのはやりすぎだと思うが、大きな要因であったことは確かと思える。コロナ禍前の本なので仕方がないが、リモートワークを考慮しておらず、企業集積によるフェイス・トゥ・フェイス・コンタクトがオフィスの生産性を決定していると仮定している点には注意が必要。

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柏木吉基, 「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本

かなり初心者向けの内容で、ビジネスで統計分析をする必要があるが右も左もわからないという人向け。

ビジネスで利用する分析手法は受け手側が理解できる手段でなくてはならない、という思想はこの種の統計入門書ではかえって新鮮。その思想のもと単回帰分析までしか扱わないという割り切りには潔さを感じる。

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宮沢章夫, 『資本論』も読む

資本論の解説書ではなく、資本論の読破に挑戦しました、というエッセイ本。特に資本論を読むためのヒントが含まれているわけではなく、あくまでも資本論と格闘する日々を綴っているに過ぎない。著者のファンなら楽しめると思う。しりあがり寿の挿絵にも注目。

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大河内直彦, チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る

気候変動の研究は様々な科学技術の集大成である。地質学はもちろんのこと、生物学、物理学、化学、あらゆる分野の発見が気候変動の研究に新たな知見をもたらす。観測技術の進歩により新たな研究が可能となることも多く、新たな発見により定説が覆り続けている。本書はそうした歴史を誠実に描いたものである。

研究者の手による本であり、参考文献による裏付けがしっかりしているので安心して読める。それだけではなく、図版が非常に豊富なのが一般読者にはありがたい。科学的な内容だけではなく、関係する科学者たちの素顔が垣間見えるのも嬉しい。

気候変動の問題は地球温暖化の文脈に組み込まれ政治問題化しているが、そこに与して短絡的な二酸化炭素悪者論に陥るようなこともなく、現在確からしいと思われている事実に基づいた誠実な解説を行っている。

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