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中島義道, 哲学者というならず者がいる

今はなき新潮45の連載をまとめたもの。

哲学者の問いの立て方には、世の中で当たり前とされている態度や、みんなと同じように感じることを疑うという姿勢が根底にある。そうした姿勢を貫きながらも、ときに身の保全のためには汚い態度も許容するならず者である著者の生き方に強い親近感を覚える。時折触れられる大学教師としての生活も哲学者としての筋を通しており、見習う点がある。

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グレゴリー・コクラン(著), ヘンリー・ハーペンディング(著), 古川奈々子(訳), 一万年の進化爆発

人類は文化的・社会的な要因により予想以上の速度で進化していたという説。

農耕の開始が高々数百年から数千年というオーダでの自然選択を引き起こしたというのにも驚くが、アシュケナージ系ユダヤ人に至っては迫害などの社会的な理由によりさらに短期間で自然選択が働いたとされる。まだ反論はあるだろうが、さまざまな証拠がこの説を後押ししているように思える。

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マイケル・ウィットワー(著), 柳田真坂樹(訳), 桂令夫(訳), 最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス 想像力の帝国

著者のマイケル・ウィットワーは少々潔癖過ぎるほど誠実で、裏が取れている情報と状況から推測した描写を明確に書き分けている。今後D&D史やRPG史、そしてゲイリーという人物の研究者にとってもっとも重要な資料となるだろう。文章も読みやすく、リプレイ風のエピグラフも良い味を出している。

ゲイリーは家庭人としては完全に破綻しており、ウォーゲームに打ち込むあまりに家族を養うことすら危うくなっている。ゲーマーとしては立派な態度ではあるけれど。

デーヴ・アーネソンとの出会い、D&Dが生まれるまでの経緯、T&Tなどの類似製品の登場と停止命令 (この過程でD&D型のゲームという表現を避けるためにロールプレイング・ゲームの語が生まれた)、そのデーヴとの確執など、D&Dにまつわる歴史が完全に網羅されている。

スタートアップの物語として読んでも面白く、TSR社の急成長、歪な資本構成が招いた会社の乗っ取り、失意からの再起など、爆発的な成長を遂げたスタートアップの通る道を猛スピードで駆け抜けている。

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安田雪, 「つながり」を突き止めろ 入門! ネットワーク・サイエンス

少し前に流行ったネットワーク・サイエンスの入門書。現在のホット・トピックからは外れた感があるが、重要性が減ったわけではない。

本書はそんなネットワーク・サイエンスを活用した人間関係研究を紹介してくれる。研究対象が電子メールやmixiだったりネットワークの規模が小さかったりとやや時代を感じるところはあるが、その裏にある人間関係ネットワークの本質的な部分は今でも変わっていない。メールログ分析と通信の秘密の関係や友人関係の定義の難しさなど、研究の現場ならではの話題も多く楽しめる。

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