今尾恵介, 番地の謎

日本の住所の雑学本。

日本の住所は番地と住居表示の二重構造になっているが、そのうち番地の方はとにかくわかりにくく、目的地を探す助けにならない。このわかりにくさは地番の成り立ちに起因している。そもそも地番は明治の地租改正の際に課税や不動産登記のために振られた符号であり、地図上で整然としていることを身上としている。これを住所を表すために流用したのだから、道を歩いて移動する人間を想定しておらず、わかりにくくなるのも無理のないことである。

本書はこうした番地の成り立ちや、それにより生じた奇妙な地名を丁寧に追いかけており、日本各地にこんな番地があったのかと感心させられる。

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