高野陽太郎, 鏡の中のミステリー

鏡に映った自分が上下は変わらないのに左右が逆転したように見える、という古典的な謎に答える本。

従来述べられてきた仮説 (たとえば人間の体がほぼ左右対称なことに起因するという対称仮説など) がきちんとサーベイされ、それぞれの問題点もよくまとまっている。

それらを踏まえて提唱される、筆者独自の多重プロセス理論は見事。人間が無意識のうちに、自身の鏡像と文字の鏡像を全く異なる座標系を用いて処理しているという事実は、指摘されるまでなかなか気づくものではない。

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