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M・スコット・ペック(著), 森英明(訳), 平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学

精神科医が邪悪な心を持った患者の臨床事例をまとめたもの。科学的な解説はほとんどないため、専門外の人間にはどこまでがこの分野で常識的な内容かが判断できない。また、後半は臨床事例から一転して集団心理が引き起こす邪悪の話題に飛ぶが、ここは心理学や精神療法からは飛躍しており著者の主観が入り過ぎているように感じる。
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鬼頭莫宏, のりりん (6)

前巻から続くツーリング編。自転車の小ネタが散りばめられており、経験者はあるあるネタとして楽しめる。大きなストーリーにはあまり動きなし。
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ジェフリー・S・ローゼンタール(著), 中村義作(監修), 柴田裕之(訳), 運は数学にまかせなさい 確率・統計に学ぶ処世術

いわゆる統計リテラシー本。本職の数学者が書いていることもあり、裏付けもしっかりした内容。著者特有のユーモアも感じられ、読んでいて飽きさせない。しかしながら、ある程度統計に詳しい人ならばどこかで聞いたことがあるようなネタが多く、あまり新規性は感じられないかもしれない。
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腹肉ツヤ子(著), 有田宏美(監修), どうしても貯められないあなたのための今年こそ100万円貯める貯金生活

貯められない自分をネタにした自虐系コミックエッセイ。節約術としてはかなり初心者向けのに内容であまり目新しさはない。リボ払いを身も蓋もなく "うすら借金" と呼ぶなど、細かな笑いどころは多い。
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間口一就, バーの主人がこっそり教える味なつまみ

そのタイトル通りのおつまみレシピ集。本当に切るだけ混ぜるだけの簡単レシピが中心ながら、その取り合わせの妙が素晴らしい。残念なのは、あくまでおつまみ向けでおかずにはならなそうなものが多いことや、あまり普通の家庭に常備していない食材が多いことか。
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鶴見済, 完全自殺マニュアル

20年ほど前に物議をかもした一冊。この本が引き起こした社会的な影響などの問題はさておき、読み物としては非常に知的好奇心をそそられる内容。ところどころ信憑性が怪しい情報もあるが、内容が内容だけに裏が取りにくいのでしかたのないところだろう。
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西島大介, 世界の終わりの魔法使い

今風の絵柄のオサレマンガ。ストーリーはいわゆるボーイ・ミーツ・ガール。
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pha, ニートの歩き方 お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

ここまで行動力がある人物がニートを自称するのは少々マーケテイングが行き過ぎている様に思う。ニートというよりは高等遊民といったところか。読み物としては抜群に面白い。思想面と実用面の両方が充実しており、こんな生き方も良いかと思わせてくれる。もちろん、著者並の異常な行動力が必要なのだけれど。
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ジョエル・ベスト(著), 林大(訳), 統計はこうしてウソをつく だまされないための統計学入門

統計リテラシー本だが、統計学よりも社会学寄りの内容。統計学の細かな処理よりも、様々な統計が生まれる背景やそれが誤解される過程に重きを置いている。実例も豊富で読みやすい。特に統計が引用される過程でその意味の変化や不適切な比較が生まれるくだりは既視感がある。
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ジェイムズ・J・ボイル(著), 大島直子(訳), 戦慄のカルト集団 11の狂気教団が引き起こした衝撃の殺戮劇

米国のカルトの事例集。日本では馴染みのないカルトが多く、また多数の事例が淡々と並べられているだけで個々の人物を深く描いているわけでもないので、読み物としては少々退屈。それでも、これだけの件数をまとめて読むとカルトの成り立ちや行動原理に類似したものが見つけられるのも事実。