book

天野譲二(著), GAMEgene編集部(編), 幻の未発売ゲームを追え! 今明かされる発売中止の謎

表題そのままの企画本。 企画は良いのだが、全体的に作りが浅め。未発売ゲームと言われて思いつく作品がほとんど取り上げられていない。守秘義務などの事情でインタビューできる相手が限られるのも分かるが、この企画の根幹となる部分だけにもう少し手を尽くして欲しかった。
game

逆転裁判6

大逆転裁判に続いてもう一本。逆転裁判6。 15周年記念作品ということで、オールスター総出演システム的にはほぼ逆転裁判5準拠。大きな新要素は御霊の託宣くらいかここまであまり触れられていなかったオドロキくんの過去を掘り下げるのは良いのだが、一人に色々と詰め込みすぎている気はする箸休め的な第4話『逆転寄席』が地味に良い出来。本編の大仰なシナリオも良いが、こういったコミカルなお話に初期の逆転裁判らしさが残っているように感じる
book

西澤保彦, 死者は黄泉が得る

西澤保彦お得意のアメリカ舞台のSF風味ミステリ。恋愛話も書き込まれており、パズラー以外にも楽しめる。 最後の一行のどんでん返しを読んでも「ほぅ」で終わらず、もう一度筋を追い直して真実を考え直さなければいけない深さがある。
book

ダニエル・スミス(著), 小野智子+片山美佳子(訳), 絶対に行けない世界の非公開区域99 ガザの地下トンネルから女王の寝室まで

さまざまな理由で立ち入りができない場所を集めたネタ本。著者がイギリス人ということもあり、ややイギリスやヨーロッパの比率が高めか。 セキュリティや国防上の理由、紛争地域、宗教がらみ、所在地不明など理由は様々だが、どれも興味をそそられるものばかり。さすがに著者も立ち入りの調査はしていないようだが、関係する写真も多く、眺めているだけでも楽しい。
book

元永知宏, 殴られて野球はうまくなる!?

野球界、特に高校野球を中心に蔓延している暴力に踏み込んだドキュメンタリ。その暴力の功罪を様々な側面から描いている良書。 まずは強豪野球部で日常的に暴力が振るわれている実態を著者自身の体験と経験者へのインタビューから暴き出す。特に能力のある新入生が真っ先に狙われる実態など、暴力を振るう側にそうさせるインセンティブがある構造も見えてくる。 一方で少ないながらも肯定的な意見も取り上げられている。私は肯首できないが、愛のある暴力は暴力ではないと本気で信じている人々がいるのも伺える。彼...
book

ツノダ姉妹, 喜婚男と避婚男

著者はマーケティング畑の人。バブル世代の匂いがするのは意図的なマーケティングの成果か。 現代の男性を幸せな結婚生活をアピールする喜婚男と結婚から逃避して一人暮らしを満喫する避婚男に分類しているが、エビデンスや量的な分析は一切なし。
comic

押切蓮介, ハイスコアガール (8)

ついに山場の女の闘い。この本当にいいシーンで、マニアックな格ゲーの攻防を手を抜かずに打ち込んでくるのはこのマンガの真骨頂と言えると思う。
book

ルイズ・アームストロング(文), ビル・バッソ(絵), 佐和隆光(訳), 続・レモンをお金にかえる法

レモンをお金にかえる法の続編。 前回の経営学から打って変わって経済学のお話。インフレと不況の発生メカニズムとその対処法が主題。ケインズ主義の立場からの対策のみだが、巻末の解説で訳者がその限界にきちんと触れているのは良心的。
book

中川淳一郎, 節約する人に貧しい人はいない。

節約本のような表題だが、中身は自分語りが中心。著者が自身の価値観に正直に生きていることを主張したいのはわかるのだが、節約をテーマとして執筆するのならば、自身の好みを押し付けるだけではなくせめて節約と絡めて論じて欲しい。著者の周りの数人以外のエビデンスなしでの断定が多いことも気になる。また、自身の振込処理の遅延に苦情を言ってきた相手を "カネにうるさいヤツ" と呼んで仕事を回さなくした話を武勇伝として書く神経は私の理解を大きく超えている。
game

大逆転裁判 成歩堂龍ノ介の冒險

久しぶりの逆転裁判シリーズ。大逆転裁判 成歩堂龍ノ介の冒險。 明治時代という舞台設定を良く活かしたシナリオはさすが実名で登場する歴史上や創作の人物が多く驚く共同推理や最終弁論といった新たな演出も逆転裁判シリーズのご都合主義を上手く覆い隠しており楽しい伏線を大量に残したままの幕引きは関心できない。最初から前後編やシリーズものとして売るのならともかく、続編ありきの内容で完結作品のようなタイトルを付けるのは不誠実と感じる (サブタイトルが続編を示唆していると言えなくもないが、少々無...