book

おおたとしまさ, ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体

副題の通り、鉄緑会とサピックスを中心としたルポタージュ。 両塾の経験者への取材が中心で、塾本体への取材はあまり行っていない印象。他の塾との比較もなおざり。それでも、関東出身ながらまともに塾通いをしたことがない自分には新鮮なところが多い。
book

詠坂雄二, 遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?

リロ・グラ・シスタに続く二作目。一作目とはガラリと作風を変えてきた。ハードボイルド色は影を潜め、文体も角が取れた印象。 作中作の構成、副題にもなっているホワイダニットを柱に据えたの謎解き、余韻を残す幕引きと、様々な趣向を凝らしてアイディアを惜しげもなく注ぎ込んでいるのが好印象。
book

長嶋有, ねたあとに

各種のアナログゲームをテーマに据えた小説。と言っても、最近流行の本格的なボードゲームなどではなく、ひとひねりしたゲームを持ってくるところがさすが長嶋有。 小説として見ると青春劇や群像劇になるのだろうが、独特の少しユルめの空気感がなんとも言えずたまらない。事件が起こりそうで起こらないところも実に良い。
diary

シンガポールでマーライオン

5年ぶりのシンガポール。 前回は見られなかったマーライオンを拝む。予定通りがっかり相変わらず食事は大満足。ここなら住める
comic

大石まさる, 水惑星年代記

とりあえず最初のとを。どちらも良質なSF連作短編集。 舞台設定はきちんとSFしていながらも、身の丈の話をきちんと描ききっているところに好感が持てる。アフタヌーン系の絵柄も好み (連載はヤングキングアワーズだが) 。
product

オリックスカーシェア

子供が生まれると色々と車が必要なイベントがある。今まではタクシーを利用していたが (今時はチャイルドシート付きのタクシーもある) 、選択肢を増やすために、カーシェアリングのオリックスカーシェアを契約してみた。 契約にあたっては購入やリースとも比較してみたが、せいぜい月に数回程度の利用では価格的にまったく勝負にならない。購入やリースが有利になるのは、平日も頻繁に利用する人達だけだろう。 日本でカーシェアリングのサービスを行っているのは、大手順にタイムズカープラス、オリックスカー...
book

G・ウザク(著), 福地誠(編), 麻雀 傑作「何切る」300選

従来の何切る本の様にパズルとして楽しむのではなく、手順を学ぶための教科書的な本。 定番教科書を目指すのならば、萌えキャラは無理に入れなくても良かったのではないかとは思う。問題の質は文句なし。
comic

押切蓮介, HaHa

押切作品にはよく特徴的な母親が登場するが、その原点とも言える実母の物語。 少々盛っている部分はあるのだろうが、その分を差し引いても十分に波乱万丈。まさに人に歴史あり。
book

ジュディス・リッチ ハリス(著), 石田理恵(訳), 子育ての大誤解 子どもの性格を決定するものは何か

巷の子育て本には出所不明な情報も多く、どうにも腹落ちがしないので、少し硬めの本書に手を出してみた。既に絶版になっており中古も結構な値段なので、地元図書館で拝借。 "育児のしかたが子どもの性格と将来を決定する" といういわゆる子育て神話や、"出生順位が性格に影響を与える" という出生順神話を徹底的に疑ってエビデンスを求めていくと、実は神話の根拠が極めて心もとないものであることが分かる。 子育て神話が生まれた大きな要因は、育児のしかたと遺伝の混同。愛情豊かな親は愛情豊かな育児を行...
comic

手持望, カルトの思い出

おそらく天業古代王朝 (ただし、著者が所属していた当時はおそらく別の名称だったはず) の元信者による実録エッセイマンガ。絵も含めてかなり軽めのタッチではあるが、内容は重め。 あくまで末端信者の一人称視点のためやや客観性には欠けるものの、体験記としての生々しさは見事に伝わってくる。