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鈴木大介, 最貧困女子

家族の無縁、地域の無縁、制度の無縁からなる三つの無縁と、精神障害、発達障害、知的障害からなる三つの障害のうち多くを抱えて貧困に陥っている女性たちを描いたドキュメンタリ。ただひたすら重い。
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「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2016

昨年に続き、スケジュール・シートのみの更新。本体側にあまり魅力がなく、写真を見る限りジラフノート (既に廃版となっているので、を利用している) を挟み込めそうもないので、なかなか更新できない。結局、だいぶ傷んできた2013年度版のカバーを使い続けることに。
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後田亨, 大江英樹, 生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ

いわゆる民間生命保険の不要論。著者は日本生命出身で、乗り合い保険代理店を経て現在は社団法人の代表。この種の生命保険不要論に興味のある人ならば新しい情報は少ないかもしれない。それでも本としてはよくまとまっているので、一冊目には悪くない。少々強引なところがありながらも行動経済学的な解説で味付けしてあるのが類書との差別化ポイントか。
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原田実, トンデモ日本史の真相

トンデモ説の中でも日本史に注目した一冊。源義経 = チンギス・ハーン説から竹内文書まで、主要な奇説はほぼカバーされている印象。解説も丁寧なので、この分野の初心者でも楽しめる。
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今和泉隆行, みんなの空想地図

空想で地図を創りあげるという贅沢な遊び。色川武大の "ひとり博打" に見られるような箱庭愛を見事に昇華させ、地図の形で結実させてくれた。実在の街の写真イメージを組み合わせ、その街の手触りまでを必死に伝えようという姿勢に頭が下がる。著者が子供の頃から描き続けてきた地図の数々を "パンツを脱いで" 紹介する姿勢も素晴らしい。地図創りの根幹を支えているフィールドワークのノウハウも惜しみなく公開してくれている。大判地図を収録するためのちょっと凝った装丁も実に良い。
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九井諒子, ひきだしにテラリウム

竜の学校は山の上に続き、九井諒子をもう一冊。こちらは短編集というよりはショートショート集。ややSF風味が強めか。"すごいお金持ち" の様なトボケたバカSFは好み。
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中村淳彦, 日本の風俗嬢

前作に続き、風俗業界を扱ったドキュメンタリ。この業界に関する基礎知識はよくまとまっているので、一冊目として読むには悪くない。統計の少ない分野なので仕方ない部分もあるが、各種の数値の推定はさすがに大雑把すぎるか。
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本間龍, 名もなき受刑者たちへ 「黒羽刑務所 16工場」体験記

高齢者、障害者、オカマといった処遇不適格な受刑者が集まる黒羽刑務所16工場の内幕を綴った本。著者は用務者としてその運営に関わっていた方。読み物としての面白さもありながら、それ以上に社会問題としての問題提起が興味深い。治療も各種のケアもできない介護刑務所が結果として再犯を招いている実態はもう少し広く知られても良い。
comic

須藤真澄, アクアリウム

魚と話ができる少女、杢子の成長を描いた少し不思議な作品。悪人もライバルもない世界観の中でただ優しさが綴られているだけなのに、なぜか惹きこまれてしまう。大きく時間を動かす構成を利用したお話作りも見事。
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木村泰司, 名画は嘘をつく

西洋美術の名作によくある誤解を扱った雑学本。ボリュームは軽めだが、西洋美術に詳しくない向きには十分な情報量。フルカラーなのも嬉しい。