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河邑厚徳, グループ現代, エンデの遺言 根源からお金を問うこと

ミヒャエル・エンデの話は枕として使われているだけで、中心はシルビオ・ゲゼルらによる自由貨幣の話題。自由貨幣の小さな成功例とメリットばかりで、欠点や批判的な意見に触れることはない。そのため、なぜそんな素晴らしい自由貨幣が限られた範囲でしか利用しかされていないかという素朴な疑問が解決しない。全体を通じて自由貨幣支持者の取材を主要な情報源としていることもあり、参考文献も挙げられておらず、根拠が不明な記述も多い。意図的かはわからないが、自由貨幣の利点と地域通貨の利点を混同して説明して...
game

Magic 2015 – Duels of the Planeswalkers

Magic 2014 - Duels of the Planeswalkersの続編。Magic 2015 - Duels of the Planeswalkers。今作は大きく自由度が向上遂にカードを自由に組み合わせてデッキを組めるようにカードプールは狭めで、ConstructedというよりもLimitedに近い感覚。尖ったデッキを組むのは難しいので、素直にGood Stuff寄りにした方が良いかもしれない。Tribeなどを組むのも苦しく、可能性があるとしたらGoblin程...
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坂口恭平, TOKYO 0円ハウス 0円生活

思想はやや荒削りながら、隅田川のブルーシートハウスに新しい建築の姿を見出すという試みは興味深い。昨日のルポ 最底辺と同じ野宿者を扱いながらも、こちらは一転して明るい雰囲気。性格の差か、スキルの差か、著者のフィルタの差か。
book

生田武志, ルポ 最底辺 不安定就労と野宿

著者は野宿者支援活動を進めている方で、特に日雇い労働問題に詳しく、自身も学生時代から釜ヶ崎での日雇い生活を体験している。そのためか、様々な不安定就労の中でも特にドヤ街での日雇い労働生活とそこからの野宿への転落に深く切り込んだ内容となっている。野宿生活に陥るまでの流れやそれに対する行政の不備は非常によく分かるが、労働者やその支援者の視点からしか語られていないのがやや残念。行政側の論理も取り上げられれば、より深い考察ができたものと思う。
comic

南信長, マンガの食卓

古今東西のマンガ作品を "食" のテーマで括ってまとめたもの。もちろん、単行本一冊ですべての食マンガを網羅することはできないのだが、主要な食マンガの流れはきちんと押さえられている。巻末には作品索引がつけられているのも嬉しい。
book

本川裕, 統計データはおもしろい! 相関図でわかる経済・文化・世相・社会情勢のウラ側

統計データというよりも、相関図のおもしろさに注目した本。著者は、社会実情データ図録も運営している。退屈な統計な解説はさておき、社会ネタの相関図のおもしろさが前面に出てくるので読んでいて飽きない。また、データを深掘りする際の思考の流れがよくわかる構成になっているのもありがたい。
diary

小川町~石尊山~官ノ倉山~烏森山~臼入山/細窪山~落合~小川町

連休は雨がちであったが、最終日は少し晴れ間が見えたので、これ幸いと走りに。小川町からは長福寺と諏訪神社を経由して北向不動から取り付く石尊山を経由して官ノ倉山へ。このあたりで何組かの行楽客とすれ違う官ノ倉山から少し下ったところで伐採作業が行われており、合間を縫って走る官ノ倉山周辺に、烏森山方面への標識はない。実は、官ノ倉山から西に少し下りたところにある "至山道" の標識が正解烏森山へは鬱蒼とした森林の中を走る。山頂も眺望はなし。経路に標識はほとんどなく、怪しい踏み跡とテープを...
comic

郷田マモラ, モリのアサガオ 番外編

モリのアサガオの続編。本編と同様、法学よりも感情論に偏りがちではあるが、死刑反対派の素直な感情はこのあたりかもしれないと思う。
book

豊田正義, 消された一家 北九州・連続監禁殺人事件

あの北九州監禁殺人事件を追ったルポタージュ作品。事件の内容が内容だけに関係者へのインタビューは限られているが、公判記録から事件を見事に再構成している。主犯の松永太の生育環境など掘り下げが不十分と思われる個所があるものの、関係者が口を閉ざす中でよくここまでまとめたものと思う。この事件を扱う上では避けて通れない監禁や殺人の描写はかなり生々しいので、耐性がない方はご注意を。
comic

井上純一, 中国嫁日記 (三)

ついに中国での生活が始まり、現地のネタが増えてくる。結婚生活が安定期に入ったこともあり、大きなイベントと言うよりは身近なネタが中心。ブログからの再録が多いが、書き下ろしの国際結婚の事務手続きなどはなかなか興味深い。