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三戸祐子, 定刻発車 日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?

よく日本の鉄道の正確さは世界一だというようなことを聞く。今までは漠然と日本人の几帳面さが原因くらいに考えていたが、本書はさらに一歩踏み込み、正確さの起源を江戸時代の参勤交代にまで求めている (さすがにちょっと眉唾だと思うところもあるが) 。定刻発車を維持するための工夫の数々は、他のジャンルでの運用、たとえば通信や各種サーバ管理などに携わる方々にも参考になる部分は多くあると思う。いかに並列化を行うか、いかに障害の波及範囲を押さえるか、いかに回復しやすい設計を行うかなど。少々説明...
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鳥飼玖美子, 危うし! 小学校英語

当事者ではない (小学生の子供がいるわけではない) 私のような人間にとって、小学校での英語教育というのはまるで他人事の世界だった。しかしながら本書で解説されている、中央教育審議会を中心とした小学校英語必修化の現状をみると、山積した問題に疑問を覚える。著者が実際の英語教育に携わっている方ということもあり、現場レベルでの懸念がよく伝わってくる。
book

速水融, 歴史人口学で見た日本

歴史人口学というのはこの本で初めて知ったのだが、いわゆる歴史学以上に推理の要素を含み、イデオロギーの要素も少なく、私のような人間の興味をそそる。本書は速水先生の自分史のようなところもあり、研究を進める上での苦労がしのばれるのも興味深い。中でも史料データベースの作成に伴う苦労がたびたび述べられているが、このあたりは自分のようなコンピュータ屋やデータベース屋とうまく連携できる仕組みが何かできないものか、と強く思う。
hack

Windows XP再インストールメモ(改訂版)

Windows XP再インストールメモ(改訂版)いろいろあって自宅のWindows XP環境を再インストールする。以下、前回再インストール時のメモの改訂版。XC Cube EZ65新旧HDD間のデータコピーをするのに、普通の2台繋げるIDEケーブルを用意しておくと便利。XC Cubeに付属のケーブルは1台しか繋げないAOpen Download Center内のXC Cube EZ65用のRealtek Avance AC97 Audio Driverはちょっと古い。Real...
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田端到, ワニとライオンの野球理論

読み物として読み飛ばすにはよいのだが、アラを探せばいくらでも出てくる。特にデータの信頼区間の無視や論理の大きな飛躍が散見されるのは残念。田端氏は統計の専門家ではないと思うので仕方ないとは思うが、データスタジアムがついているのならばもう少し頑張って欲しかった。
diary

横浜中華街照宝の北京鍋

半年ぶりくらいに実家に帰省する。お目当ての一つは、実家で使っていないという北京鍋をもらい受けること。横浜中華街照宝のものらしい。今まではテフロンのフライパンで全て済ませていたが、これで料理の幅が広がりそう。
book

渡辺俊介, アンダースロー論

現役のプロ野球投手が、投球の組立から握り方まで写真入りで赤裸々に語るというのは珍しいと思う。数少ないアンダースロー投手として、そのノウハウを形として残したいという思いが伝わってくる。野球をプレイする人にはぜひ読んでもらいたい一冊。編集協力として小林信也氏の名前がクレジットされているので多少の修正は入っているかもしれないが、渡辺投手の語り口をそのまま感じることができる文体は好印象。中学生時代のアンダースロー転向に始まり、2005年の絶好調、そして2006年の苦しい立ち上がりまで...
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田村秀, データの罠 世論はこうしてつくられる

いわゆるデータリテラシー本。世論調査に始まり、視聴率、都道府県ランキング等、よくみる "危うい" データに触れられている。解説も読みやすく、はじめてのデータリテラシー本としてもお勧めできる。また巻末では、近年の中央省庁の再編によるスリム化の検証を行っているのが、この手の本にしては珍しいところか。
game

Wi-Fi対応 役満DS

ニンテンドーWi-Fiコネクションを使った麻雀ゲームは初らしいので購入。操作一般タッチペンを使った操作は牌を切るのにダブルタップが必要で、どうも使いにくい全体的に牌が小さい。特に相手の河。キャラクタの表情よりも牌にスペースを割いて欲しかったキャラクタの発声がかなり紛らわしい。鳴きだか和了だかわからないジュゲム先生は強気すぎると思うWi-Fi対局テトリスDSと同様、マッチングの待ち時間が長い対戦時の持ち時間が30秒とかなり長め自分の手番のときに音が鳴らないのが致命傷。ながらプレ...
book

トム・スタッフォード, Mind Hacks 実験で知る脳と心のシステム

人間が潜在意識下でどのような処理を行っているかを知ることができるのは興味深い。文中でも触れられているように、生存に有利な方向に進化してきたのだろうということが伺える。内容も堅すぎず、豊富な実験を実際に自分で体験しながら読みすすめられるので飽きない。内容には全く不満はないが、webページにあるデモンストレーションを見ながらでないと楽しめない項が多く、電車の中で読むのには難があるのだけが残念。