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福地誠, ルポ マンション麻雀 バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態

よくnoteだけではなく書籍としても出版したな、というのが第一印象。マンション麻雀は劇画のネタにはなっているものの、活字の記録が週刊誌記事程度しか残っていない分野なので、その意味で貴重なルポタージュ。タイトルはマンション麻雀となっており実際に前半は2009-2014年頃のマンション麻雀事情を扱っているが、後半はその血を引き継ぐ歌舞伎町の高レート店の話。一応店名はぼかしているものの、見る人が見れば容易に特定できる。これらもいずれ歴史に埋もれていく存在かと思われるので、資料的な価...
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謎解き×首都圏おでかけ ミステリーるるぶ 歴史探訪編

アドベンチャー編に続いて2冊目。アドベンチャー編と比べると謎の難易度はさらに控えめ。ボリュームも控えめ。同時発売の3種の中で評価が低めなのもそのせいかもしれない食事処が前半部分に集中しているので、そのつもりで日程を組むと良いかもしれない現地についてからの移動や各種入場料などでいくらかの費用がかかるのに注意
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村越真, なぜ人は地図を回すのか 方向オンチの博物誌

著者は全日本オリエンテーリング選手権チャンピオンの経験もある研究者。方向オンチという身近な問題に、きちんとした学術的な裏付けを持って切り込む。方向感覚は多くの分野を跨ぐ問題であり、認知心理学を中心に、発達心理学、環境心理学、生物学、都市設計など、様々な方向からのアプローチが求められる。本書はそれらを広くカバーした啓蒙書で、地図の読み取りやナビゲーションが存外に複雑な問題であることを教えてくれる。
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小倉博行, ラテン語のしくみ

ラテン語を学びたいというよりはラテン語とはどんなものかを概観したいという気分で読むと、細かな活用型の練習を延々とさせられるのに閉口する。それでも、ラテン語ならではの特徴の話題は楽しめる。
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山田敏弘, 日本語のしくみ

他言語と比較をすると、日本語のどの部分が特殊なのかが見えてくる。日本語を特殊な言語とする言説も多いが、多言語とよくよく比べて見ると特殊なところも普通のところもある言語に過ぎない。敬語表現は珍しいものではないが、謙譲語を持っている言語は極めて少ない格助詞を用いることで自由な語順の文を作れるのが特徴。ただし、自然な文にするにはSOV順にすると必要がある多数の一人称が使われる一方で、単数と複数、過去と完了などをあまり意識しない (厳密には人を指す場合やオノマトペには単複の区別が見ら...
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羊齧協会(編), 東京ラムストーリー 羊肉LOVERに捧げる東京&周辺 羊レストランガイド

羊料理専門店を集めたグルメガイド。東京の名の通り首都圏のみだが、かなりマニアックなお店もカバーしている。少々古い本で残念ながら続編は出ていないようだが、羊齧協会は現在も活動中なので、最新情報はこちらで。
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ブルース・ブエノ・デ・メスキータ(著), アラスター・スミス(著), 四本健二(訳), 浅野宜之(訳), 独裁者のためのハンドブック

ポリティカルサイエンス本。権力維持の構造は独裁政権だろうと民主主義だろうと同じであるという視点に立つことで新たな発見がある。政治とは権力を保持することであり、それは独裁政権でも民主主義でも変わりがない。その権力の後ろ盾は名目的な有権者集団 (取り替えのきく者)、実質的な有権者集団 (影響力のある者)、盟友集団 (かけがえのない者) の多層構造になっており、これも政治体制に依らず不変である。独裁政権では言わずもがな小さな盟友集団が実際にリーダーを選んでおり、その他の多くの人々は...
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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。 (7)

特に新キャラが出るでもなく新展開があるわけでもなく淡々と日常が続く。こうした作品は貴重。相変わらず読書ガイドとしてみても質が高い。
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縄文ZINE(編), 望月昭秀(著), 小久保拓也(著), 山田康弘 (著), 佐々木由香(著), 山科哲(著), 白鳥兄弟(著), 松井実 (著), 金子昭彦 (著), 吉田泰幸 (著), 菅豊 (著), 土偶を読むを読む

ベストセラーとなったの検証本。たびたび売れてしまうトンデモ本の検証は誰かがやらねばならないにもかかわらず学術的には評価されない仕事であり、こうした努力に頭が下がる。本書ではこうした作業を "雪かき" と表現しており、実に的確な例えだと思う。こうした検証本としての役割を抜きにして、現在の縄文研究を学ぶうえでも良書。土偶がどこまでわかっていて、何がわかっていないのか、その概観を掴むことができる。
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にゃんこそば(著), 宮路秀作(監修), ビジュアルでわかる日本

Twitterの生まれの可視化本。前半は言われてみれば当たり前の結論が多くやや退屈。可視化の技法やアイディアを学ぶのには良いかもしれない。この手の本にありがちな東京偏重ではなく、主要な地方都市も押さえているのは好感が持てる。最後の第6章で扱っている地名の可視化はこれ単体で研究として成立しうるレベルの独創性の高い内容で面白い。