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荒川弘, 百姓貴族 (3)

前巻はやや借り物のネタが多かった印象があるが、ここに来てパワーアップして復活。結婚と出産を経て、荒川弘ならではのネタが増えたのが大きいか。
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クリストファー・ウィルズ(著), 近藤修(訳), 暴走する脳 脳の進化が止まらない!

ミトコンドリア・イヴにはじまる人類の進化史を脳に着目して追った科学啓蒙書。脳の進化の歴史を扱っているものの、進化論一般の解説が多く、予備知識のある向きにはやや退屈かもしれない。特に後半は中立進化説やその理解のために必要な基礎知識に多くのページが割かれており、教科書を読んでいる気分になってくる。
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小関順二(監修), プロ野球スカウティングレポート2014

今年も開幕が近づき、スカウティングレポートの季節。昨年度版から大きなフォーマットの変更はなく、落ち着いてしまっている印象。競合がほとんどなく改善のインセンティブがないのは分かるが、少しづつでも改善して欲しいとは思う。
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新久千映, ワカコ酒 (2)

ワカコ酒の続編。前巻同様、ただ飲み食いするだけのマンガなのだが、可愛らしい絵柄と相まってなんとも言えない魅力がある。今回はいわゆる呑み屋が中心で変化球は少なめで、女子会と駅弁程度。ワカコの周辺もあまり明らかになってこない。
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小松正之(著), 日本水産学会(監修), よくわかるクジラ論争 捕鯨の未来をひらく

捕鯨問題の入門書。国際捕鯨委員会 (IWC; International Whale commission) の一線で活躍している著者だけあり、科学的な調査法から各国の捕鯨の歴史まで、およそひと通りの基礎が網羅されている。一つ難を挙げると、日本側の見解に偏り過ぎている感はある。他国の主張について主観で断定している箇所が見られるため、この部分は他の文献で補う必要があるだろう。
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水木しげる, コミック昭和史 (第8巻) 高度成長以降

長かった昭和もようやく終りを迎える。日本では戦争の影は薄くなり高度成長期を迎えるにつれ、水木のマンガ家としての生活や様々な空想の比重が高くなってくる。そんな中で、数回に渡るラバウル再訪と "南の人" との奇妙な交友は、嫌でも戦争を思い出させ、戦争が水木に与えた影響の大きさを思い知らされる。
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荒川美幸, 国際結婚残酷物語 中国のど田舎に嫁いだ私

"中国のど田舎に嫁いだ私" というサブタイトルからは中国の奥地に移住した様な印象を受けるが、実際には中国人夫のパスポート発行までの僅かな期間を過ごしたのみ。それでも、中国との文化摩擦の読み物としては面白いし、本人の本音がそこここに滲み出ている文章も悪くない。
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北岡明佳(監修), 錯視完全図解 脳はなぜだまされるのか?

フルカラー大形本で、様々な錯視を心行くまで楽しめる。収録されている錯視も、動く錯視から形の錯視、だまし絵まで幅広い。科学的な解説は控え目なので、あくまでも錯視を楽しむための本。
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石川智久, 植田昌司, エンジニアのためのPowerPoint再入門講座 伝えたいことが確実に届く “硬派な資料” の作り方

PowerPoint本だが、プレゼン用のスライドではなく資料作りのための本。そもそもなぜ資料を作るのにWordではなくPowerPointを使うべきかという論理が弱い。Wordの描画キャンパスを作る手間が惜しくレイアウトも難しい、PowerPointの1ページ単位が扱いやすい、といった小さな理由は書かれているものの、本質的に違う用途のソフトウェアを使うべきという程の大きな理由はなく、単にWordを使いこなせていないだけの様に見える。PowerPointを無理に資料作成に用いた...
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水木しげる, コミック昭和史 (第7巻) 講和から復興

戦後の昭和30年代から40年代にかけて。ようやく戦争の影が消え、落ち着いた空気が漂い始めた。水木も紙芝居屋から貸本マンガ家へと流され、そこに重ねて結婚などのイベントが目白押し。自伝としてみると、一番面白い時期かもしれない。