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麻耶雄嵩, 痾

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) の実質的な続編。といいつつも、繋がりはやや大人しめ。相変わらず後味が悪い作品。麻耶雄嵩らしい豪快な仕掛けから来るカタルシスはあるものの、やはり腑に落ちない部分が多い。文章としては前作よりやや読みやすくなっているように感じる。
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中村淳彦, デフレ化するセックス

AV女優を始めとしたセックス産業のドキュメンタリー。従来の著作と異なるのは、デフレ下で貧困状態に陥っているケースが多い実態にフォーカスしていること。当事者へのインタビューを元に可処分所得などを推計していくスタイル。インタビューはあまり裏を取らずに発言をそのまま信用しているように見えるので話半分で。
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谷口ジロー(画), 夢枕獏(作), 神々の山嶺 (1) (2) (3) (4) (5)

全巻一気読み。文句なしに面白い。ジョージ・マロリーのカメラの謎 (本作の執筆は1999年のMallory and Irvine Research Expeditionによる遺体発見前) がストーリーの軸となっているものの、それが霞むほどに登山家達の生き様が濃く描かれている。森田勝や長谷川恒男をモデルとした登山家達の想い、氷壁の登攀、山中での食事など、どの描写をとっても一級品。おすすめ。
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Eric Freeman, Elisabeth Freeman, Kathy Sierra, Bert Bates, Head First Design Patterns

デザインパターンの入門書。O'Reillyの分厚い本だが、Head Firstシリーズだけあって気軽に読める。ややコスプレなどのお遊びが過ぎるのはご愛敬。すべてのデザインパターンを網羅しているわけではなく、主要なものに限定して詳細に解説するスタイル。解説で取り上げている例題も身近な題材ながらよく練られており、デザインパターの有り難みがよく分かる仕組みになっている。入門書としてみると、演習問題が多めなのも良い。サンプルコードはすべてJava。今風の動的言語に適用するには一工夫が...
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水野学, アウトプットのスイッチ

表題にある "アウトプット" は商品のデザインやパッケージだけではなく、その背景にある企業理念なども含んだ広い意味。その広い視点で売れる商品を考えようという試み。著者自身が携わってきた商品の実例に沿った解説が中心。アウトプットを作り出す様々な手法の紹介もそれらの実例に沿った形で断片的に行われるため、全体像をあまり体系立てて学ぶのには向かないが、手法のヒントを探すのには良い本。
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麻耶雄嵩, 神様ゲーム

児童向けレーベルのミステリーランドにも関わらず麻耶雄嵩全開なところが素晴らしい。内容は子供向けではなく、オチも子供に理解できるものとは思えない。麻耶雄嵩ファンの大人向けとしては佳作。
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いけだたかし, 34歳無職さん (3)

前巻に続き、重めの背景がじわじわと明らかに。日常ネタの方は円熟期。こちらは安心して楽しめる。
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ASIOS, アンドリュー・ウォールナー, 検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち” の情報は正しいか

3.11後に生まれた様々なトンデモ論にひとつひとつツッコミを入れていくスタイル。誤りに赤を入れていく形式のため、震災や原子力を体系立てて学ぶのには向かず、あくまでも娯楽として楽しむ本。ややマイナーな人工地震説や予言にページを割きすぎている感はあるものの、主要なトンデモ論は概ねカバーされている様に見える。
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石田敦子, 球場ラヴァーズ だって野球が好きじゃけん (1)

球場ラヴァーズの2本めのスピンオフ作品。今回は新キャラではなく勝子姉さんが主人公。今作は球場ネタ中心で私好み。大量のグッズ紹介にも (営業的な理由以上に) カープ愛を感じる。
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麻耶雄嵩, 夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)

700ページあまりの分厚い文庫だが一気に読んでしまった。ミステリ作品 (本格ミステリの人からは認められないかもしれないが) なのでネタバレは書かないが、何とも後味の悪い話。衝撃的な結末はあるものの、残された謎も多いあたりは麻耶雄嵩らしい。