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小島正美, こうしてニュースは造られる 情報を読み解く力

毎日新聞の編集委員が書いたリテラシー本。著者は環境や健康、食の問題を担当してきたこともあり、その方面の情報が中心。リテラシー本として見るとあまり新しい情報は無いが、マスコミ内部からこういった自己批判が出てきたことは評価できる。
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山崎隆, 大震災改訂版 東京のどこに住むのが安心か

震災を機にを焼き直したもの。不動産の売り手側が言いにくいことをズバズバと指摘していくのは痛快。表題では "住む" となっているが、どちらかと言うと "買う" 場合を想定した議論が中心。利便性よりも資産価値の変動に重きをおいている。改訂のきっかけとなった震災については、東京周辺のみを扱っていることもあり、原発絡みではなく軟弱地盤や水害の問題が中心。
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Lepton, きれいなコードを書くための鉄則

コーディングルールに関するネタを中心としたプログラミング雑学本。内容はやや初心者向け。ソースコードの例も豊富なので、学習用には良いと思われる。ややjavaに偏っており、プログラミング一般というよりはjava特有の問題も含まれているので注意。
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丸山学, 先祖を千年、遡る 名字・戸籍・墓・家紋でわかるあなたのルーツ

静かなブームとなっている家系図作成の入門書。新書ということもあってほんのさわりだけだが、読み物としてはなかなか面白い。各種史料や現地状況の調べ方など、調査を疑似体験しているような気分になってくる。現代の戸籍調査の具体的な方法などがもう少し細かく補足されているとなお親切だったか。
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石田敦子, 球場ラヴァーズ 私を野球につれてって (1)

前シリーズの世界観はそのままに主人公を変えて連載再開。相変わらず野球以外のネタを詰め込みすぎの感はあるが、それなしではただの球場エッセイコミックになりかねないので仕方がないところだろう。球場ネタとしては、ビールの売り子の視点が意外に新鮮。
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岩谷誠治, 借金を返すと儲かるのか?

会計の入門書だが、非常に分かりやすく噛んで含めるように教えてくれる。類書に良くある "決算書だけ読めればいい" というスタンスではなく、一番の基礎となる簿記から逃げずに (しかも平易に) 解説している点は評価できる。
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ジュリアン・バジーニ(著), 向井和美(訳), 100の思考実験 あなたはどこまで考えられるか

哲学の議論で用いられているものを中心に、思考実験を集めた本。帯には "これは「読む」本ではありません。「考える」本です。" とあるが、本数が多いのと各項の解説が淡白なため、やや読み飛ばし気味になってしまう。読み物としてみれば十分に面白い。
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ナシーム・ニコラス・タレブ(著), 望月衛(訳), ブラック・スワンの箴言

やで名を上げたナシーム・ニコラス・タレブによる格言をまとめたもの。どことなく英国風な皮肉に満ちた物言いが心地よい。
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杉山美奈子, 好かれるメール 嫌われるメール

メールのTIPS集だが、まだガラケー全盛の2010年発行だけあり、ガラケーメールの特有の内容が多い。ガラケーメールのマナーはローカルルールが多いが、それを独善的に決めているように見える点は気になる。一応はビジネスメールを対象としている様だが、妙に馴れ馴れしい表現が混ざっているのも気になる。それでも、考え方としては何とか頷ける点はある。また内容と直接関係はないが、右綴じで横書きは勘弁してほしい。視線が非常に不自然な流れとなる。
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神戸幸夫, 転落 ホームレス100人の証言

東京周辺でのホームレス100人へインタビューをまとめたもの。基本的に裏をとらずにインタビュー内容をそのまま信じている (と思われる) 内容なので、少し割り引いて読む必要があるかもしれない。それでも事例集として非常に興味深い。購入したのは初版だが、校正不足が目立つのが残念。